入り込み数の発表は正確? 人数を数えてみた 高田城百万人観桜会

新潟県上越市の高田城百万人観桜会(2015年4月3〜19日)の入り込みは今年、過去最多の133万2000人で、3年連続最多記録を更新している。今年もそうだが、この数字が上越市などから発表されると、「こんなに多いわけがない」「どうやって数えたのか」といった声が、フェイスブックのコメントやツイッターなどで毎年見られる。上越タウンジャーナルでは今回、一定の条件に限定して、人数を写真を使って一人ひとり数え、市の発表した数字と比べ、その正確さを検証してみた。

入り込み数は、上越市と観桜会を主催する上越観光コンベンション協会が発表しているが、日ごとの入り込み数を公表していない。例年公表される数字は会期17日間の合計だけで、100万人以上の数字を実際に全て数えることはできず、これはさすがに検証のしようがない。

しかし、今年は4月11日の中止となったブルーインパルスの展示飛行の時間に、高田公園周辺に約9万5000人が集まり、このうち陸上競技場に約6000人がいたという数字が市から発表されている。

市が発表した約6000人という数字は、11日の午前11時から約30分の間に会場にいた人数を推計したものだという。この陸上競技場の約6000人というピンポイントの数字を検証してみた。

上越タウンジャーナルでは、ブルーインパルス展示飛行の中止がアナウンスされた直後(午前11時過ぎ)に次の2枚の写真を撮影した。ここに写っている人の数を、丸印と番号を付けながらカウントした。

陸上競技場2_s

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数えた結果、1枚目に写っているのが1305人、2枚目が958人で合計2263人となる。

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↑それぞれの写真をクリックすると、一人ひとりに丸印と連番の数字がふられているのを見ることができます

撮影した2台のカメラの位置と、写真に写っている範囲は次のようになる(グーグルマップ)。

rikujouカメラ位置

陸上競技場のトラックのコーナー部分は当初入場が制限されていたため人は少なく、写真に写っていない部分に人がいたとしても6000人に達しそうもないことが分かる。

ただ、上越市の発表した数字は、職員らが来場者数や自動車の駐車台数を数えるなどして推計したものなので、実数と合わないのは仕方がない。また、上越市の数え方や推計手法が特殊なわけではない。こういった観光地の入り込み数は、最終的には全国各地で比較できるような形の観光統計としてまとめられる。このため、観光庁は「観光入込客統計に関する共通基準」を定めており、上越市を含む新潟県のデータもこれに基づいて調査、集計が行われている。

↓新潟県の観光統計情報
http://www.pref.niigata.lg.jp/koryu/1245960085415.html