新潟県上越市北方のワイナリー、岩の原葡萄園(坂田敏社長)で行われてきた新生産棟などの改築工事がこのほど終了し2014年10月2日、竣工式が開かれた。新生産棟のほか、創業者の川上善兵衛の紹介や、ワイン販売などを行う「川上善兵衛記念館」を新たに設置。また1895年(明治28年)建造で国登録有形文化財の「第一号石蔵」を一般見学ができるようにした。
改築工事は、老朽化した生産棟の更新により、一層の品質向上を目指そうと昨年7月から行ってきた。
新生産棟は一部2階建て。タンクは以前の17基から25基に増設し、畑の区画ごとに収穫されたブドウを醸造できるようになった。また高い位置から重力を利用して果実や果汁、ワインを優しく移送する仕組み「グラヴィティー・フロー」を取り入れた。ポンプを使って移送していた以前に比べ、余分な酸化を防ぐことができるという。
かつて醸造棟があったところに建設された川上善兵衛記念館は2階建て。1階にはワインショップが入り、2階には年間営業するレストランと、同園や「日本ワインぶどうの父」川上善兵衛に関する資料を展示する資料室が設置されている。
またこれまで稼働していた工場内にあり、一般の人が原則立ち入ることができなかった第一号石蔵は、工場の部分が解体され、見学できるようになった。
工事費は概算で約5億円。年間生産能力は720ml換算で40万本と変わらない。
10月3日からワインショップの営業を始める。第一号石蔵の見学も可能。時間は午前9時~午後5時。レストランは事前予約の方が利用しやすいという。10月4、5日は収穫祭が行われる。
岩の原葡萄園の公式サイト
http://www.iwanohara.sgn.ne.jp/