上越市の「これから」を議論した2時間の記録 「次世代が学び話し合う会」

2014年2月9日、新潟県上越市の中郷区コミュニティプラザで開かれた「上越市の『これから』を次世代が学び話し合う会」の会議録(ダイジェスト)を掲載します。上越志民会議が主催し、中郷区まちづくり振興会が共催、上越タウンジャーナル後援のイベントで、30代、40代を中心とした31人(市議会議員4人を含む)が参加しました。上越のまちづくりや地域活性化について議論しました。上越志民会議が「後ろ向きな非難や糾弾ではなく、前へ進むための提案を行い、上越市全体として未来を作る取り組みを行っていくための第一歩」として初めて開催したもので、今後もこういった取り組みを進めていくそうです。

当日の様子
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以下、会議録(参加者が作成、上のPDFと同じものです)。

『上越市の「これから」を次世代が学び話し合う会』会議記録(ダイジェスト版)
時・平成26年2月9日(日)13:30~15:40
会場・上越市中郷区コミュニティプラザ会議室

参加者 市議会議員4名 一般市民31名

司会者 中郷区のさとまるくんと大島区のおーちゃんが登場します。
<ご当地キャラクターの紹介、キャラクターのコラボ商品の紹介>

司会 時間になりましたので上越市の「これから」を次世代が学び話し合う会を始めます。主催の上越市志民会議役員の中村真二さんより挨拶をお願いします。

中村:今日は沢山集まって頂きありがとうございました。上越志民会議という名前でFacebookにおいて始めたが組織だってるわけではないので、今後組織化するかもしれませんが今のところ有志ではじめています
夜の飲み会はやっているのですが、昼にやるのは今回が始めてになります。
今日の開催趣旨について<資料3ページの開催趣旨を読む>ネット上ではどうしても非難の応酬になってしまいがち。でもfacebookは実名が基本なので建設的な話し合いが出来るのはないかと。その中でも特にここでは非難の応酬とかネガティブな議論は出来るだけ禁止にして、前向きで建設的な意見をそれぞれがしていき、その提案をだしたらそれを他の人がダメだというのではなくて、その提案に対してつながれる人がいたら広がっていく。その可能性を探っていきたい。
今日は特に話し合いというだけでなく学びということもタイトルに入れさせて頂いた。若い方々に地域のことを考えて頂きたいが、バックボーンとなる知識がないとどうしても建設的な意見を出すのは難しくなる。そういったものをそれぞれが勉強しあって行きたいと思い、学びとした。
<資料3ページ企画の経緯>は長くなるので各自お読み頂きたい。
今回は中郷区まちづくり振興会の竹内さんからお話を頂きまして、今日はこの場で開催することが出来ました。ありがたく思います。
<配布資料の説明および議論のルール説明>
議題は主に3つになります。一つ目、地域活性化を経済面から考える。
二つ目は上越市の地域自治について制度面から考える。
三つ目は上越市全体の行政や市議会への議論に対する市民参加について。この3つを主に議題として用意させて頂きました。
内容が盛りだくさんで議論が深まるかわからないが、これを踏まえて今後Facebookで日常の議論になることを期待する。もしくはこのような話しあいを上越のあちこちでできるようにこのような会を設けていくなどを考えています。
そのあと、上越志民会議からの提案と次へのステップとして議題4と5を話し合いたい。
それからFacebook上の上越志民会議に寄せられたご意見の中からピックアップしたものを資料として7ページ以降に掲載しました。
一番最後には『上越市農都市条例』と、『上越市中山間地域振興基本条例』条文掲載しています。
最期に今日の話し合いのルールについてですが、上越志民会議としては、できるだけ前向きな意見や提案を出し合う場であり、これはダメだとか、他人事議論はやめていきたいと考えています。これからを次世代がどうしていくのがいいのかを考えていく会議にしたい。

司会 では議題に移ります。議題1,「上越市の地域活性化について経済面から考える」について、中村さんよろしくお願いします。

中村 
地域の活性化について特に経済的な面に着目しまして、『域際収支』というのを掲げさせて頂きました。経済用語であまりよく知られていない言葉ですが、平たく言うと、国家間の貿易で輸出と輸入を比べて輸出が多ければ収支が黒字になるのと同じように、これを地域に見立てて考えようという発想で生まれた言葉だそうです。地域外の人からお金を稼いで行けば地域が潤うという考えかたで、もう一つは外へお金を出さないようにすればいいんじゃないかと考えました。
そのために外からお金を稼ぐ面、すぐに思いつくのは(1)観光事業。外からお客さんが来て地域の中にお金を落としてくれる。(2)ご当地●●、今もご当地キャラに登場して頂きましたが、こういったご当地キャラや(ご当地グルメなどの)食べ物、高田のがんぎっこのようなご当地アイドルなどが人気になっていけば外から人が集まってくれるようになります。
そして(3)ネット事業というものもあげさせて頂きました。
僕も最近になって考え始めたのだが、インターネットで販売をして遠くの方に買ってもらうと、お金が地域に入ると考えたんです。
その反対に、外へお金を出さないという面について、((4))里山資本主義という本がベストセラーになっています。これを読んで共感するところがあったのですが、あとでお話したいと思います。
それから先ほどの(5)農都市条例とか(6)中山間地域振興基本条例といったものがバックボーンとして機能してくれるのではないかと。これはまだ私がそう思っただけですが、また皆さんからご意見を頂きたい。
そして(7)中心市街地活性化。これは中心市街地と中山間地が連携することによって地域活性化につながるのではないかと考えました。これらの7項目を議題項目にしました。
項目別に意見を話して頂きたいですが、今日は市議の方も何名かいらっしゃいますので、一般市民の皆様からこれはどうなのという質問などがあればお聞きしてもいいかと思います。
では、(1)の観光事業についてここは口火を切って頂くのに、観光コンサルタントのHさんにお話をお聞きしたいのですが。
HTさん:もう少しあとでいいですか?
中村:そうですか。では、もう一つ話したいと思います。では観光事業についてfacebookの志民会議上で話し合われた内容をご紹介したいと思います。
<15ページ【上越妙高駅に屋台村?】という部分を読む>
広報上越の1月15日号に特集ページがあったのですが、ぱっと見最初のパンフレットから変わっていないのではないかという印象。越後湯沢駅のお土産店のような物は出来ないのかなというようなことを思いました。その辺についてHさん、いかがですか?

HTさん:(自己紹介)最近『忠輝くん』という勝手キャラを作りました。「勝手」はなかなかリスクも高くて大変です。前職では佐渡島の観光協会にいました。今日、中郷に来たらスキー場もあるからでしょうが県外ナンバーも多く、こちらは県外からの人が多い印象。やはりよそから来た人が常に見えていると、観光という物がわかってくるのでしょうが,上越はまだそういう機会に恵まれていないのが現状。2年後の新幹線開業も通過駅などいろいろ言われてはいますが、なんとか賑やかになって欲しいと思う。行政から出ている政策とは別に、勝手に上越妙高を盛り上げるためやっていきたい。

中村:皆さんもご意見をお願いします。また新幹線の駅では開業後はどうなるのかという情報でもいいですので、議員の方いかがでしょうか?

SS議員:一応今はまだ議員がもっている情報での新しい物はないが、今のような屋台村という賑やかな話もあったが、印象からするとクリーンでスタイリッシュで冷たい感じ。賑やかさについてはこれから市民のみなさんに考えてもらうようになるような状況ではあるが、一応スペースはあります。通路のメインスポットに美術館や特産品の売場などを観光振興課が考えているようだが、ベストスポットだからくじ引きでもしたらというと公平さを欠いてもいけないし、またちゃんとやっていけるかどうかがわからないので今は白紙という状態です。

中村:え?まだ白紙なんですか?

TI議員:(自己紹介)私も知っている限りの情報ですが、脇野田通りというのがありますが、自由通路。あれは市道なんです。市の管轄なので屋台村などなんでも出来ます。それ以外は市のものではないので難しい。あと、自由通路でもお店をやるにはガスや電気、水回りの設備も必要であるが、そのような設計にはなっていない。JRとしてはここでお店をやろうという計画にはなっていないんじゃないかと。ただ自由通路は使えるはずなので、後付けは可能でしょうから、市民の皆さんの意思があれば可能なはず。

中村:こういった情報で人とのつながりが出来てやりたい人が集まってくればやってもいいんじゃないかと思います。
では他に観光面で議題や質問あればどうぞ。

SK議員:(自己紹介)今、新幹線の話題で、民間の土地があります。穴吹工務店のマンション、またレンタカーやコンビニなどはすでに契約者があるそうですが、まだ様子見の段階で、市自体がまだ誘致をしていこうという力強さに欠ける部分もあり、東京などからそういった企業が来てくれないという面もある。そう言った中でも出店者を支援していく中で少しずつ実を結んでいるという状態。

NK議員:(自己紹介)新幹線の状況ですが、今のままだと「はくたか」の乗降客が利用するというだけで現状からすると観光客がほとんどいない。当然観桜会や謙信公祭など季節的なイベントでは多少利用客は増えるが、バスや車もあるので現状では電車で観光をしようという客は少なく、ほとんどの利用目的はビジネスになってくる。そうすると新駅で観光客目当ての事をやろうとしてもおそらく採算をとれないというのが大方の経営者の見方である。
屋台村という話であれば、私は高田や直江津でやってもいいかと思う。博多の屋台のように地元でも楽しまれているから行ってみたいというのが観光客の視点。B級グルメでも「ホワイト焼きそば」などが失敗しているのは、地元の人が食べていないから。屋台村も新幹線駅構内では地元が利用しにくいのでどうかと思う。行政としては空港のようについたら目的地へスムーズに移動できるようなことを考えているのだと思う。また新たに商業地を作れば、今ある他の商業地が潰れるだけである。マーケットの量は一定なのでどこかが増えればどこかが潰れると思う。新幹線駅前というのは難しいというのが私の印象。

KTさん:私もN議員の意見に賛成である。不動産デベロッッパーに聞いた話だと、まったく急ぐ必要はないと。春日山駅周辺は、高田と直江津が合併して市役所が出来たが、当時なにも無い場所。合併後2~30年経って今は上越市の市役所から下門前あたりまで、何十年も掛けてようやく完成した。

中村:現状については皆様のおっしゃった通りだと思いますが、志民会議としてはそこから何か一歩新しいアイディアを出して行きたい。
たとえば、B級グルメについては、フェイスブック上で「するてん」が話題として盛り上がりました。
新幹線の開業駅が出来るのは全国に宣伝できるチャンスとしていいと思う。
資料の中で企業支援というのがありましたが、屋台村もそういう機会を使えないか。
あくまでも前向きに話したい。
次にネット事業についてですが、有志でネットショップ協議会というのも立ち上げたのですが、Iさんお願いします。

ITさん:(自己紹介)昨年の末に上越ネットショップ協議会というfacebookグループを立ち上げました。僕もタイヤを販売する中で中古タイヤなどをネットショップで売っている。店頭だけではやっていけないので。昔の経験でネットショップをやる技術はありました。
たまたま同じ部落でニシザワチャンネルさんがいますので一緒にやることになりました。
ネットショップ協議会につきまして、3つのポイントがあります。1つめはネットショップが上越地域をアピールしていくということ。2番目はお客さんが全国にいるということ。あと、大きなポイントはネットショップ同志がつながっていくということです。この3つを主眼に置いています。行政に頼るだけではなく、自分で何か出来ないかと。たとえば上越の特産品を売ればいいじゃないかと思うかも知れませんが、あんまりそれにこだわる必要はなくて、ネットショップが全国に上越をアピール出来る。たとえば伝票などに上越のいいところを書いたりすれば読まれる可能性がある。あと、全国にお客さんがいるということは、中村さんの言われた『域際収支』にも貢献できる。上越の中だけでお金が廻っていても仕方ないし、東京から来たお店にばかり払ってお金が出て行くばかりになる。僕たちが全国から稼いだお金が上越でまた使われることで経済は活性化していくと思う。
ただの流行としてではなく、もっと(効果を)意識してやっていこうかなと。
今参加しているメンバーを紹介すると、ニシザワチャンネルさんは楽天でおつまみを売っている。主に楽天が多いですが、イオン(アコーレ)にあるハニーバニーさん、という衣料品店さん。こちら元々は本町の『こうむら』さんですが、楽天では超有名ショップ。あとは三和区にある桝屋本店さんがやっているホンダウォークさん。店舗ではプラウというお店をやっていますが除雪機や農機具をネットショップですごく売っています。こういう有名店だけでなくまだ知らないネットショップが上越には沢山ある。これをつなげていき
志民会議の中の一つの議題としてネットショップを活用したい。やってる人も、ネットショップやっていない人でも興味のある人はのぞいてみて頂きたい。

中村:僕もグループに参加しているが、大島区の米を売って欲しいと言われたが当時はまだ何も出来なかった。FAX用紙で売っていたこともある。

ITさん:そこで言い忘れたんですが、上越のいろんなものをワンストップで買えるようなものをネット上に作って行きたいと考えています。
TI議員:いわゆる検索エンジンがありますが、全国の中だと上越のものは埋もれてしまう。そこで上越専門の検索エンジンを作ったらどうか。

ITさん:ポータルでは0255.ネットというのをやってるところがありますが、まずはそこに来てもらえるにはどうしたらいいかが難しい。検索対策は僕もやっているが、たとえば北海道の人でも上越の店を検索してもらうにはどうしたらいいのかが重要なんだと思う。
上越だけの検索エンジンに来てもらう方法を考えなければならない。上越の店だけを検索するエンジンを作る方法はわかりません。

NKさん:私はニシザワチャンネルという名前で珍味を売っているが、珍味とかおつまみというキーワードでは上位には来ないので、「ニシザワチャンネル」を有名にすることに専念した。チラシにも封筒にも「ニシザワチャンネルで検索」と印刷してリピーターにすり込んだ。上越にも同じ方法が使えると思う。上越を知らない人は「上越」と検索はしないのだから。

T議員:域際収支という域内の中で市民の皆さんに上越のものを買ってもらう為にはどんなお店が上越にあるかわかるといいのではないかと。上越の人が全国というの大海に飛び込む前に『上越』という湖に飛び込んでいく感じ。

ITさん:そういう意味では上越というものを(ネット世界で)作ってしまう。

NKさん:そうですね。上越のページを見てもらうためには認知度を上げないと上越だけの検索エンジンにたどり着かないというのがネットの世界。いろんな人が試みてはいるのだと思う。

ITさん:それもあるけど、たとえば花見と検索すれば上越が一番上に来るようになればいいんですけどね。それは出来ると思う。

NK議員:ネット事業は取り合いだと思う。私も買うが東京などから買えば逆に出て行く。お金を外に出さないという話にもつながりますが、上越の人が上越のネットショップで買う場合は翌日すぐに届くなど、何か価格とは別で優位性を持たせるといいのではないか。

SS議員:Iさんに質問なのですが、地元で生鮮食品などを作る主婦の皆さんにネットで売ることをすすめると、急に沢山注文が来ても対応出来ないという。そういった(作り置きが出来ない)ような物でもネットで売ることは可能なのか?

NKさん:今ネットでもお取り寄せというのが大変に話題になっている。何年待ちというコロッケなんかもある。そういういい物は生産量を上げられないが全国から注文をもらって予約という形で販売をしている。なので生産量の心配をするよりはまずブランディングの心配をした方がいいのだと思う。

ITさん:生鮮品をネットで売るのは可能。今Sさんが言われたところで重要なのは雇用を産むということ。そのための器が必要で、それがいわゆるポータルで売れるネットショップということ。実はよそでは結構すでにやっている。だから出来ない事はないので、ぜひグループに入って一緒に考えて行きましょう。

SS議員:そういうのを彼女たちもやりたいと思っているが、そうするとネットに詳しい人を雇わなくてはならないと心配している・

ITさん:そういう人を雇わなくてもいいようにしたいと思っている。また、いわゆるECコンサルタントなどを雇ってしまうとそこで大変なお金がかかるのでそういう心配のないようにしていきたい。

SS議員:Iさんがやってくれたらうれしい。

ITさん:僕だけがいい思いするわけじゃなく、上越全体で出来るような仕組みを考えて行きたい。

中村:ありがとうございました。これはまだ認識が浅かった部分ですが、可能性があると思う。雇用にもつながるし、若い人の雇用や企業で、出て行ってしまうを防げるかもしれない。持論ですが20万の人口では民間だけでは商売が難しい。官と民が一緒につくって行けばいい。上越市のホームページにネットショップ協議会のリンクを貼ってもらうとか。
市民側が何をすべきかというと批判や糾弾ではなく一緒に考えていければいい。

次の議題に移りたいと思います。「外にお金を出さない」ということで(3)里山資本主義ですが、この本で『域際収支』という言葉を知った。オーストリーの話が紹介されているが、林業を再生して木質バイオ発電などの活用例が紹介されている。日本では林業は人件費がかかって効率が悪いと思われているが、オーストリーでは最新学問の研究分野にされていてどういう風に効率よく林業を再生したらいいかをコンピューターで計算して計画樹林し、継続的に林業を活用している。これは上越にもできることだと思った。(エネルギーを域外から買うのではなく)地域の中でエネルギー自給ができれば外にお金が出ない。
そこから発想して(5)と(6)の農都市条例と中山間地振興基本条例というのが使えると思いました。すでに条例があるということは支えがあるということ。
これについてもし、誰かお考えやご説明が出来る方がいれば…(わかりませんの声)
ではこれについて<資料18ページを読む>
この条文が出来た当時環境問題の為に作られたと思ったが、今食料安保やTPPの問題で食糧自給率の問題がグローバル化すればするほどリスクが増えるのでそれに対抗しうるのが農都市条例である。<20ページの基本計画第8条4を読む>
この「自給率を7割以上とする」というのが書いてある事がすごい。今の食料自給率は何パーセントでしょうか?

TI議員:40%ほどではないか。

中村:この条文に審議会を設けるとあって公募市民も入れるとある。こういった物に市民も参加して、一人ではなくfacebookなどでみんなと意見を交換していくといいと思う。
また、(7)の中山間地地域振興基本条例というのもある。
条文があるというのは行政が動きやすいということ。行政を動かすにはいろいろあるが、可能性を広げる事が出来る条例なのだが、一般市民があまり知らないと思う。

NK議員:4割だとすれば全国とかわらない。(全国平均です)学校給食などは米はいいが、野菜などは供給力がどうしてもない。農都市宣言とは言っても生産側ににばらつきがあると給食などでは使えない。これ(農都市条例)は宮越さんが作ったのですが、今や空文化しているし農都市宣言も看板倒れになっているが、条例があるのは支えとしてはいいと思うが、これから(活用に向けて)考えた方がいいと思う。
中山間地(条例)については議員提案で3年まえに制定したのだか、これは理念条例である。もう一段階として具体的な政策を作るか行政に提案するか、ただし雪対策と担い手確保、それと農林業の活性化これだけは絶対やらなければならない。でもとにかくこれは理念条例なので。

ITさん:僕は埼玉から来て思ったのは、上越のいいところは野菜がもらえること。Nさんが細かい野菜では給食に使うのは難しいと言ったが、仕組みとして上手く回せば融通できるのではないかと思う。

NK議員:あるるん畑が成功したのは、指揮者がちゃんと生産調整をしたから放っておくと夏にはきゅうりとなすとトマトばかりになってしまうので、農家さんにちゃんといつ何を作って欲しいという要望をして生産を管理したので5億6億と売り上げることができた。700人いる農家さんを管理するのが大変なので、そういう指揮する人がいないと出来ない。

ITさん:給食だって隣のクラスはキュウリだけ食べていたっていいんじゃないか(冗談)。供給側に合わせて生産したのが戦後の農業政策だった。(それでひずみが生まれてしまったので)今が一番正しいというわけではない。

中村:NK議員は理念条例とおっしゃったが、僕は前向きに考えたい。理念条例すらない地域よりは進んでいる。市民側にもやらなくてはいけないことがある。もっと知っていくことと、批判だけでなく協力し合うべき。もっと議員はfacebookを活用して情報を提供して頂き、市民は批判ではなく提案していきたい。
次へ進みたいですが、中心市街地活性化について。中山間地は中山間地の事だけ、中心市街地は中心市街地の事だけ考えるのではなく、中山間地と中心市街地が連携をするのが必要。そして今日は中郷という中山間地で中心市街地のことを考えるという試み。中心市街地特別委員会でTI議員が委員長をされているので一言お願いします。

TI議員:本当はここにいらっしゃるIさんなども実際に汗を流しておられる。中心市街地活性化という言葉が出たのは平成18年で国が作った言葉。国がそのお金を出すという地域に上越市が応募した。高田地区と直江津地区で応募したが高田には平成20年に国からお金が出たが、直江津には出なかった。今年度、国としての中心市街地活性化事業は終了した。それを受けて上越市としても終わりとなった。
今までどうなっていたのかですが、数字だけ見ると成功したような数字が出ている。この6年の取り組みでたとえば高田では50事業をやりましょうと。そのうち49事業は取り組み中か、終了しました。直江津は40事業やっています。お役所としては9割の事業が終わったところでの数字を見ると人口は居住人口も誘導人口も1割程度、売上げも出ていないがたぶんこれも減っている。25年に少し持ち直したが、これはイレブンプラザとあすとぴあが出来たため。でも減らなかったというだけ。そして上越は第2次中心市街地活性化事業計画を国に出さなかったので、今度は市独自の中心市街地活性化プログラムというものをつい先日出した。これはソフト事業を育てようというものですが、ほぼ100%はこれまでやってきたソフト事業と同じで新たなものはない。では皆さんにお聞きしたいのは今の中心市街地はどこになりますかということ。もう中心市街地というよりは旧市街地と言う方がいいのではないか。

中村:今の『旧市街地』という見方もあるように、中心市街地とはどういう役割なのかということを考えたい。NK議員が取り組んでいる雁木を守る「町並みフォーカス」そういった事業もあるわけですが、もう一つ、公共交通の中心地であるという見方が出来ると思う。この中心市街地活性化計画というものが旧市街地を守るものなのか、公共交通の中心地として生かせるための事業なのかを整理して考えて行くといいかも。

TI議員:これからの市の方針は高田駅や直江津駅前を囲い込むだけではなく、もっと広範囲で考えましょうということ。上越市全体の商業地を活性化しようという方向に明確化しましょうということです。

中村:そこに公共交通的な発想は入ってないのか?

ISさん:基本的にはあると思いますよ。高田とか直江津が人口が減っていく中で公共施設や公共交通の利便性を高めたり、車が一家に3台という現状がどうなっていくかを含めて中心地にコンパクトな市街地を形成するというのはあって、文言としても公共交通の利便性は入っていると思う。ただそういう理念はあっても、今まであまりにも商業の活性化にばかり重きを置いていた。そもそもその計画の前に中心市街地の商業が上手くないからどうしようかと計画した。

KTさん:中心市街地の活性化は高田の人が心配すればいいこと。新幹線の空いた土地もその地元の人が心配すればいいことであって、新幹線が来るからといって慌てる必要はない。
むしろ中山間地をどうすればいいかの方が喫緊の課題である。

中村:ありがとうございます。それらを踏まえて何を考えればいいかというと、お互いに中心市街地の人は中山間地を見て中山間地の人は中心市街地を見て一緒に考えるといいと思う。

司会:それでは議題2に進みます。『上越市の地域自治について制度面から考える』としまして、「協同と参加」についてお願いします。

中村:地域自治の最前線~新潟県上越市の挑戦~という本から考えたい。まだ最近の本です2013年11月初版とあるのですが論文なので難しい。この本で知ったが上越の地域自治というのは全国でも最先端だそうです。地域自治区と大島村も大島区になったがこれの何が新しいかというと、行政と地域自治区の関係には協同と参加がある。悪く言えば行政の下請け組織のような町内会といった形の制度、それから住民がまちづくりなどの自治に参加するという制度が地域協議会という制度であり、地域支援事業である。全国的に新しい試みなのだそうです。まだ戸惑っている状態。

TYさん:(自己紹介)中郷区の地域まちづくり振興会会長をやっています。13区の中では46歳で一番若い方です。どうしても定年した方が多くなる。他の振興会とはあまり関わりもないのだが清里区や板倉区とはつながりもある。設立は平成17年の合併で13区が出来たときに作られた組織で従来の行政主導が困難になるだろうということで、行政がつくったしくみを我々が動かす。中郷の住民、企業が会員で、1世帯あたり1000円の会費と通園バスの業務委託などで600~700万円のお金を動かす。中郷区と言っても町内会と連携しているが町内会と連携するのは課題が多い。それまで行政がやってきたイベントについての参画が多かったのだが、今後はイベントだけでなく青少年育成、観光、特産品、ネットそういうことができる場が振興会。NPOに法人化するか今のままがいいのか考えている3年5年の先を見ている。若手が動いているのでいいが、次の世代を育成していきたい。

中村:住民組織がこれからどういう可能性があるかということ。これから作って行くことができる。浦川原では交通インフラの補完でオンデマンドタクシーをNPOがやっている。
地域協議会は現状いろいろあるがアイディアを出して行きたい。
地域を元気にする提案事業とは何かを聞きたいのですが。

NK議員:今まで地域事業費があったのですが、それが無くなった代わりに地域を活性化できる事業を提案してもいいですよとなったんです。

NKさん:誰でもいいんですか?

NK議員:いや、それはやはり地域協議会でないと。

EKさん:今まで実態というか実例はあったのか?

NK議員:いやないです。

中村:なぜそれを聞いたかというと、この本にいっぱい書いてあるから。この当時地域自治について研究をしている人達がとても画期的だとして注目している。それがすでになくなりつつあるんですかね?

ISさん:24年に始まった。地域協議会の委員会から自主審議をやりたいという意識で市を巻き込んで協議し提案する枠組み。市民団体が支援事業として申請し採択されるかどうか。コミュニティバスを3年間やって290万くらい使わせてもらったが、そこから踏み込んでやろうとするときに、より専門的な検討、より多くの市民の意見が必要というものについて、地域協議会が元気事業で残すための提案ができると認識している
バスについてはその後元気事業で検討されていない。深堀するいい制度だが誰も使っていないのが現状。

NK議員:私は合併のひとつのガス抜きだと思っている。でもいい制度だとは思う。

中村:前向きなアイデアにするために考えたい。新しいシステムであり、可能性がある。
地域協議会はタテマエは公募公選である。でも本当はそうなっていない。
若者や若者だけでなく意欲を持ってる人が集まって上越市全体で連携する勉強をしながら
それぞれの地域協議会に送り込む。前向きな人をそういう場に連携をとって入っていけばいいと思う。

TYさん:振興会自体、ほかの区は合併時のお金を基金にして切り崩しているが、それでいいのか?中郷は1000円会費を取っているが振興会スタッフは無償のボランティアである。これから金銭的な援助も頂きながら、若い後継者たちが来たときに有償のボランティアにすることで、責任というものを形にするのがいいと思う。

TI議員:地域協議会委員は3人いた。もっと切り込んで行くべき若い人がなってしまっていい高田区の地域協議会に40代の人が手を上げようとしたらやめさせられた。
どこかが公募公選をやってほしい。津有区なんかで革命家がやったらいい。
仲間を20人送り込めばなんでも聞く。直江津に可能性もある。

中村:こうみえて穏健派なので世代間闘争にしたくはないが制度的に活用できたらいい。

HTさん:和田の地域協議会に傍聴でいった。席は沢山あったが傍聴は一人だった。
地域支援事業の費用の分配についての審議をしていたが、和田地区では相当余っていると。
太鼓の修繕とかするが、それは中郷ではまちづくり振興会が受けているんですか?

TYさん:いや申請すればもらえるってことです。

ORさん:さとまるくん中郷商工会が地域支援事業として申請している。

中村:おーちゃんは僕のNPOが申請しました。誰でも申請すればいい。

HTさん:それで、その申請書を書きたいが書けないという話をしている。初歩的なことで。
でも佐渡は諸手を挙げるほど熱い。まあ、(上越は)のんびりしているのかなと。ということで地域の実情を見て反省した。

中村:地域支援事業はサークルみたいな組織でも申請できるみたいですね。地域事業のアイディアさえあれば役所で(申請書の書き方は)教えてくれると思う。

YIさん:大潟区から来ました。私も地域支援事業については住民組織と地域協議会で話あいが連携できていないと思う。元気事業についてそもそもの話あいをする場が地域でなされていない。そういう場を作るのが大事だし、世代に関りなく参加できればいいと思う。
大潟の2回目の地域協議会に参加したが女性がとにかく少ない。
本来はいろいろな立場の人が自分の声を出したいという協議会であるべき。

中村:逆にそこに可能性を見出せば若い人に可能性を見出してあげることもできる。制度を勉強する会をやるとか。あと、地域の中だけでなく、ほかの地域と総合的に次なる戦略を立てると有意義になる。

YIさん:振興会が最初に立ち上がったとき、13区の意見交換会を作ったが4年くらいで自然消滅してしまった。全員で一つのことを考えるのが難しいがまたやって欲しい。

TYさん:いろいろな意見を吸い上げる会が必要。
男性女性とは言いたくないが男の若い人、女性でも自分が好きなことについてはしゃべる
それを吸い上げる機会がない。
上越志民会議やSNSを活用したい。若い人は思いを結構上手な文章で書くのだが、地域協議会ではやはり年齢が高いために過去の栄光やああすればこうすればという会になってしまう。明日を見ていく意見交換できる場を作るのが大切だと思う。

中村:議題3に行きます。時間の関係で簡単に。来るべき民主主義についてはまた次回かFacebookにて話すが、内容は、小平市の道路建設の是非について。作者は政治哲学者で、市民が政治に関わるにはどうしたらいいかが書かれている。
町のことを決めるにあたって、誰がそれを決めたのかというと行政が決めた。
東京は巨大な行政で市民レベルでは抗えない。それでいいのかどうか。行政に対して市民の意見を反映させるにはどうしたらいいのかを考える資料として選んでみました。
あと、facebookページで『質問席』というページを作りました。これはIさんから。

ITさん:昨年の9月ごろに、ここにいらっしゃる市議の方々より、議場の質問席を常設にする為に100万円が使われると聞いた。これでいいのかということで立ち上げた。
当初は糾弾のつもりだったが、質問席を作ると言い出した市議皆さんが何も言わないので、それではあまり建設的ではないので、市民と市議とのやりとりの場として書き込んでもらえるようにした。最終的にはそもそも100万円で質問席を作るという単純な話ではなかったという事でしたが、極端な言い方ですが結果的には阻止した。わかりやすく言えばですが。それによってSNSの可能性、実名発言の可能性を見いだした。今後も何かやっていく予定。行政の言い分をただ受け入れるのではなく、市民の声が通る場として行きたい。

中村:議題5については時間もないのでぜひ読んで頂きたい。
上越志民会議はまだ組織ではない。可能性を広げるためのひとつのボールです。
次に何をしようかということで、話したいことは山ほどあるのでネット上の議論や、そういう声を出せる受け皿にしたい。でもネットだけでなく会うともっとわかり合える。文字だけでは印象が違う。飲み会などもやっていきたい。近所でやりたい人は言って欲しい。
大きな目標として「上越(の地域版)ダボス会議」をやりたい。世界経済ホーラムですが、任意団体がやっているのに世界に影響を与えている。
上越のことを考える人が集まって上越をよりよくしていくために話し合いたい。それには党派を超えてつながることが大事。
Facebookをやっていない人はよかったらぜひやって頂きたいと提案します。
何か言い残した事があればどうぞ。

MHさん:大島区菖蒲としてfacebookでやっていますが、2月22日灯火の回廊、ゆきほたるロードやっています。

SS議員:牧区も世界記録に挑戦で参加します。

HTさん:写真を撮ってはいかがでしょう。上越志民会議のページに使ってはどうか。

司会: 最後に共催の中郷区まちづくり振興会会長にご挨拶をお願いします。

TYさん:顔を合わせるのが第一歩だと思う。
これで酒が入ったらどうなるのか。金曜と土曜にはあまり食べられないお肉など食べられるのでぜひ食べに来て頂きたい。今後もよろしくお願いします。

閉会

上越志民会議のFacebookページ
https://www.facebook.com/joetsukaigi‎

参加した人の感想(ブロクから)

↓中川幹太さん
http://web01.joetsu.ne.jp/~n-kanta/nikki.html

↓中郷区まちづくり振興会
http://blog.livedoor.jp/nakago_info/archives/50781108.html