沖田修一監督の新作映画「滝を見にいく」が妙高市で撮影中

一般公募した普通の主婦らを主人公にした長編映画、「滝を見にいく」が2013年10月25日から、新潟県妙高市を舞台に撮影が行われている。日本映画界の第一線で活躍する沖田修一監督(36)と8人の出演者が10月31日、メーンロケ地の同市笹ケ峰で会見を開き、作品にかける意気込みなどを語った。

笹ケ峰で開かれた記者会見(10月31日)
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記者会見の模様(完全収録・約31分)

 幻の滝を見るために温泉付きバスツアーに参加した7人のおばさんが、山道を散策中にガイドに取り残され遭難してしまう。食事もない、電波もない、行き場もないという状況の下、年齢も性格もバラバラなおばさんたちが、日常で忘れかけていた自分を見付け、たくましくなっていく……というストーリー。

主人公となる40歳以上のおばさん7人は、すべてワークショップの受講応募者から選抜。主婦、劇団員、オペラ歌手などさまざまで、沖田監督が「本人半分と役柄半分で臨みたい」との希望で、本名の一部を役名に起用した。映画の中では出演者の私物や特技も生かされるという。

根岸さん(左)と沖田監督
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おばさんの一人、妙高市臨時職員で同市在住の根岸遥子さん(66)は、「住んでいる水原地区の滝を紹介でき、とても喜んでいる。スタッフはいい人ばかりで、励まされた」と話していた。

映画は「南極料理人」「キツツキと雨」「横道世之介」で数々の映画賞を獲得した沖田監督の5本目の長編。通常の映画作りとは一味違う実験的要素が強い映画だが、監督は「作りたいな、と思うものを作っているだけ。単純に撮ってみたかった」と、映画作りの動機を話す。

おばさんたちが道に迷い野宿する場面の撮影準備(10月31日 笹ケ峰)
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映画ロケの模様の動画(2分14秒)

 ロケ地はすべて妙高市内で、「幻の大滝」がある上小沢、笹ケ峰、池の平、杉の沢、斑尾高原で撮影が行われている。クランクアップは11月4日の予定。出演は7人のほかに、沖田作品の常連俳優、黒田大輔さんが観光ガイド役として登場する。製作・配給は「松竹ブロードキャスティング」と「ピクニック」。公開は2014年秋の予定。