上越市の陸自高田駐屯地にある100年前の倉庫 解体前に一般公開

新潟県上越市南城町3の陸上自衛隊高田駐屯地にある、旧日本陸軍時代から使われた明治末期建造の木造の倉庫が老朽化を理由に解体されることになった。解体工事を前に2013年9月9日から一般公開される。築100年を超える倉庫は床面に御影石を使用。外壁などで当時の工法の跡を見ることができる。公開は無料で事前予約制。同駐屯地は「解体前に当時の面影を見てほしい」としている。

高田駐屯地がある場所には、1908年(明治41年)の陸軍第13師団の高田入城に合わせて大砲を扱う野砲兵第19連隊が駐屯した。今回、解体されるのは、駐屯前の1906年(明治39年)から1908年までに建てられた倉庫や事務所など。築100年以上で老朽化が進み雨漏りがあったという。今年8月19日に新倉庫が完成したことを受け、10月下旬に解体されることになった。

明治末期に建てられた39号倉庫
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公開されるのは、長細い形をしている木造2階建ての38号倉庫(延床面積約2600平方m)と39号倉庫(延床面積約3000平方m)。いずれも戦前まで大砲の格納庫だった。重さ300kgを超える大砲を外に運び出すため、通路の床面は大砲の重さに耐えられるように御影石を使用した。また一部の窓が手すきガラスで、外壁には当時の建築物で使われたドイツの下見張り工法が用いられている。戦後、高田駐屯地になってからはテントやスコップなどを収納していたほか、39号倉庫2階は新人隊員の宿舎にも利用していた。

大砲を格納するため床面に御影石が使われた
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明治末期に建てられた38号倉庫の2階の廊下
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このほか、同連隊に入隊した蒋介石がビスケットを購入したという売店が入っていた建物や、戦前は厩舎として使われていた建物も解体される。

公開は9月9日から10月18日までの平日に実施する。事前予約で、申し込みと問い合わせは同駐屯地広報班025-523-5117内線206。