観桜会に自衛隊のパレードはふさわしい?

新潟県上越市の高田城百万人観桜会で2013年4月20日、41年ぶりに陸上自衛隊高田駐屯地の隊員や装甲車による市中パレードが行われた。パレードを歓迎する声があった一方、「銃を携行しての武装行動は威圧感を与える」として4月30日、上越地域の労働組合などから市に抗議文が提出された。市は来年の実施について「今後どのようなパレードがふさわしいかなどを検討したい」と応えた。

自衛隊による市中パレードは1972年に本町通りで行って以来41年ぶり。自衛隊協力会など4団体が、観桜会を盛り上げようと同市に要望して実現した。4月20日午後、ヘルメットを被り小銃を携行した隊員約170人と装甲車など車両23両が高田公園近くの県道で約400mを行進した。

高田公園近くの県道でパレードする自衛隊(2013年4月20日)クリックで全体表示
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4月20日のツイッターなどを見ると、「見に行きたい」「桜と自衛隊ええなーナイスやな!」「市のイベントに快く協力してくれ、国内外で活躍する自衛隊をもっと讃えるべきだ」といった好意的な意見が多く、「この辺の人自衛隊に対してはわりと慣れ親しんでるとはいえ小銃持った隊員を外に出すとはなかなか思いきってる」といった慎重な意見も若干あった。

4月20日のツイッターなどの様子はこちら(ヤフーのリアルタイム検索)

4月30日、市に抗議文を提出したのは上越地区平和環境労組会議、上越地区労連、社民党上越地区協議会、日本共産党上越地区委員会の4団体。労組の代表と両党の県議や市議ら10人が市役所を訪れ、「迷彩服に小銃を携行し、装甲車も参加するなど市民や観光客に威圧感を与える内容だった」として今後、今回のようなパレードを実施しないよう求める抗議文を山岸行則副市長に手渡した=写真=。

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山岸副市長は「時代の流れとともに自衛隊が市民に認知されてきている。市内外から抗議や苦情などはほとんどなかったので、ある意味成功したとも受け止めている。皆さんの申し入れの主旨を理解した上で、今後どのようなパレードがふさわしいかなどを検討したい」と応えた。