スーパー防犯灯全19基 昨年から故障したまま

新潟県上越市の本町通りや高田駅前などに設置されている、防犯カメラや警察との通話機能などを備えた「スーパー防犯灯」19基すべてが、昨年6月から故障したままになっている。警察庁のモデル事業として10年ほど前に設置されたもので、システムも古くなっていることなどから今のところ修理のめどはたっていない。

本町通りなどに設置されているスーパー防犯灯(クリックで全体表示)
スーパー防犯灯1

スーパー防犯灯は通常の防犯灯にカメラとインターホン、赤色灯、非常ベルをつけたもの。事件事故の際、ボタンを押すと県警本部に直接通報すると同時に、周辺全ての防犯灯のビデオカメラが作動する。カメラは1基につき半径約80mを撮影することができる。2001年から警察庁のモデル事業として全国10か所に導入され、上越市では約3000万円かけて高田駅前から本町通り、司令部通りに計19基が設置され、県警の管理の下、2002年4月から稼働していた。

設置から昨年までの10年間で上越市のスーパー防犯灯が役だったのは3件だけで、内訳は自転車の盗難2件と迷子の発見が1件。このほかはすべて誤報といたずらだった。

スーパー防犯灯が19基とも動かなくなったのは、昨年6月。全基を制御するメーンコンピューターが故障したためだ。修理には数百万円かかるという。ただ、システム自体が古いことなどから全国10か所あったモデル地区の中にはすでに撤去している自治体もあるという。

開会中の上越市議会3月定例会の一般質問で、この問題を取り上げた近藤彰治議員は「防犯灯として明かりは点いているが、機能がないのならただのガラクタだ。早急に県に修理を求めてほしい」と訴えた。