通販最大手のアマゾンは2012年10月25日、日本での電子書籍を扱うKindle（キンドル）ストアをオープンした。それに伴い、出版社を通さず手軽に電子書籍を直接同ストアで販売することも可能になった。Kindleストアの新潟県内での第1号は、翌10月26日に発刊した上越市春日山町3の洋菓子店ラ・ソネ菓寮のケーキレシピ集「家庭でおいしい ケーキCook」となった。
いろいろなデバイスで読めるレシピ集（iPadで閲覧）
日本の電子書籍ストアは、近年急激に増えており、扱う電子書籍の点数も急増している。しかし、ベストセラーが少ない、決済が複雑、対応するデバイスが少ない、購入した本を別のデバイスで読めないなど、欠点も多かった。
アマゾンはその点、専用端末のKindleだけではなく、iPhoneやギャラクシーなどのスマートフォンや、iPad、ネクサス7などのタブレット端末でも読める。ダウンロードした本は全て同期できるのが大きな特徴で、例えば外出先でiPhoneで読んだ続きを、家でiPadやKindleで読む、ということが可能だ。また、ワンクリックで購入できたり、ベストセラーが多いなど、多くの特徴を持つ。
そのため、日本にKindleストアがオープンしたことが、実質的な「電子書籍元年」が到来したと見る向きが多い。日本語版KindleやiPad miniが発表されるなど、端末のラインアップもそろった。
電子書籍を販売するKindleストアだけではなく、出版する側へのサービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング (KDP) 」も同時に開設しており、出版社を通さなくても電子書籍の出版が簡単な手続きで可能となった。
Amazonで買える電子書籍「家庭でおいしい ケーキCook」
KDPを使って出版した新潟県の第1号となったのが、上越市春日山3の洋菓子店「ラ・ソネ菓寮」の曽根一郎店主が書いた「家庭でおいしい ケーキCook」というレシピ集。
この電子書籍は、上越市の日刊ミニコミ紙「上越よみうり」紙上で、2010年4月から2012年7月までの約2年半にわたって連載した82種類のケーキレシピを、同紙を編集する上越情報プレスがまとめた。ケーキを作るにあたってのコツや注意点などを、プロの職人として独特の言葉で表現している。ベーシックなレシピをほぼ網羅しており、家庭でケーキ作りを楽しむ主婦などに好評だった。電子書籍化にあたっては、上越タウンジャーナルが協力した。
この本を読むには、iPhoneやiPad、Android端末などでKindleの無料アプリをダウンロードした上で、下のリンクから買うか、アマゾンのKindleストアで書名検索して探す。本の価格は1冊200円。なお、買う前に試し読みができる。購入ボタンの下にある「今すぐ無料サンプルを送信」のボタンを押せば、本の一部（10レシピ）を無料で読める。
