上越出身 川端誠さんの落語絵本15冊目発刊

上越市出身の絵本作家、川端誠さんの落語絵本シリーズが、このほど発刊した「みょうがやど」で、節目の15冊目となった。同シリーズは1994年の「ばけものつかい」から始まって18年目。これまでの累計で約120万部という大人気シリーズとなっている。

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発行元のクレヨンハウスでは「時代劇っぽい絵の中に作者の遊び心が詰まっていて、何度読んでも面白い。川端さんは文章と絵の両方を描いているので、文章も絵の一部として組み込まれ、本を開いたときの印象がいい」と話す。

中でも2003年にNHK教育テレビの「にほんごであそぼ」から火が付いた子供たちの「寿限無」ブームに乗り、その5年前に出版された「じゅげむ」が大ヒット。現在も版を重ね、シリーズで最も多い43万部となっている。

川端さんはブログの中で「『落語』と『絵本』は楽しみ方では大変似ている。話そのもの以上に、言葉や絵の『間』を楽しむものだ」と、その着想と共通点について述べている。

15冊目の「みょうがやど」は、「ミョウガを食べ過ぎると物忘れをする」ということわざを元にした落語をベースにした。ことわざを本気にした宿屋の夫婦が、ミョウガ料理をどっさり出して客に忘れ物をさせようとする。宿の名を「みょうが屋」に改めたところ、最初の客がやってきた。早速出てきたのは、みょうが茶、みょうが煎餅、みょうが羊羹、みょうが饅頭。風呂はみょうが湯で、酒はみょうが酒。そして料理もみょうがづくしである。その果てに客が忘れていったものは……。

クレヨンハウス刊、1260円。

川端さんの落語絵本シリーズの数々
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【川端誠・落語絵本一覧】(出版社はすべてクレヨンハウス)

1)ばけものつかい(1994年)
2)まんじゅうこわい(1996年)
3)はつてんじん(1996年)
4)じゅげむ(1998年)
5)おにのめん(2001年)
6)めぐろのさんま(2001年)
7)たのきゅう(2003年)
8)いちがんこく(2004年)
9)そばせい(2005年)
10)たがや(2006年)
11)おおおかさばき(2007年)
12)ときそば(2007年)
13)ひとめあがり(2008年)
14)かえんだいこ(2010年)
15)みょうがやど(2012年)

◇川端誠さんの公式サイト「お化け屋敷へようこそ」
http://www.g-advance.co.jp/obakeyashiki/

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