板倉区の地滑り止まらず 水抜き工事急ピッチ

新潟県上越市板倉区国川の地滑りは発生から1週間が経過した2012年3月14日になっても土砂などの流出は続き、県によると午後1時までの24時間で約3.8m進んだ。市は13日夜、地滑り先端部から約300m離れた同区曽根田の5世帯20人に避難準備情報を出した。県は土砂から水を抜くボーリング工事を10か所増やし14か所にするとともに、曽根田集落の被害を防ぐ土堰堤の設置、新たにGPS(全地球測位システム)による移動観測装置の設置などを進めている。

*崩落現場のすぐ近くで行われているボーリング作業(14日午後4時すぎ、クリックで拡大)
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県によると、14日午後1時までに地滑り先端部が24時間で3.8m進み、平均では1時間に16cmの速さで依然として進んでいる。県道三和新井線を超え、さらに進むおそれがあるため、14日夜に曽根田の飛び地(新屋敷)の5世帯20人に避難準備情報を発令した。 地滑りを止めるため、原因となる雪解け水を抜くボーリング工事を10か所追加して14か所とし、今週中にすべて稼働させる。崩落部の上部には溝を掘り、表流水を逃がす工事を行う。

このうち、崩落斜面中腹のボーリング現場では、長さ80mのパイプを放射状に5本打ち込み、毎分40リットルの水を抜く作業を行っている。5人の作業員が、地滑り現場からわずか10m離れた場所で、泥だらけになりながら作業を進めていた。

このほか、土砂などの移動を観測するため、新たにGPSによる移動観測装置を8か所設置し、左右だけではなく高さも測定する。国川集落には大型土のうとコンクリートブロックを240mにわたり設置する作業を急いでいるほか、曽根田への流入を防ぐ450mの土堰堤と、170mのコンクリートブロックを設置する。