上越市板倉区の地すべり 人家まで27mに迫る

新潟県上越市板倉区国川(こくがわ)集落東側の山斜面で2012年3月7日に確認された地滑りは、9日午前0時ごろからスピードが早くなって平地まで土砂と雪塊が押し寄せ、同午前9時には人家まで27mに迫っている。8日午後9時5分に同集落の一部に避難勧告が出され、現在は13世帯44人が同区針の板倉農村環境改善センターや親戚宅などに避難している。9日正午現在、人や建物への被害は出ていない。

人家まで27mに迫った地滑り。白い雪の山は土砂に押し流されたもの(クリックで拡大)
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上越地域振興局地域整備部によると、地滑りの規模は長さ500m、幅150m、厚さ(最大)20mで、土砂量は75万立方mに達するとみられる。

地滑りの空撮写真。田んぼが広がる平地まで押し寄せている(上越市提供)
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現場は板倉区の中心部から南東へ車で約10分の所で、山間地ではなく、地滑り防止区域の指定地からは外れている。妙高砂防事務所の大坂祐介工務課長は「指定地ではないが、関田山脈沿いにあり、地滑りが起きやすい場所。通常は平地に達すると地滑りは止まるのが普通だが、人家近くまで伸びてきたのは珍しい。地滑りの原因は、融雪や雨により、急激に地下水位が上がったためではないか」と話す。

9日朝から始まった土のう積み作業
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現在は人家に被害が及ばないよう、応急処置として1トンの大型土のうを積み上げる作業を行っており、今後は2トンのコンクリートブロックを設置する方針。

同集落の野澤哲男町内会長は「この集落ではこれまで地滑りなどの大きな災害は一度も起きていない。2次災害なども心配だが、住民の精神的負担も大きい。復旧工事は長期化しそうなので、行政などの支援をお願いしたい」と話している。

【地滑りの経過】

<3月7日>

・7日午後2時30分 板倉区総合事務所に地滑りの通報。ただちに県などが現場確認

<3月8日>

・17:30 国川町内の10世帯39人に対し、避難準備情報を発表。板倉農村環境改善センターに避難所を開設

・21:05 人家に被害が及ぶと見込まれるため、避難勧告を発表。

・22:50 避難勧告区域を拡大。合計21世帯80人。

<3月9日>

・00:00 地滑りが人家まで70mに迫る。滑るスピードが早くなり、最大で時速15mに達する

・02:00 人家まで35mに迫るが、スピードが鈍ってくる

・04:00 県道三和・新井線が全面通行止め。人家まで33mとなる

・09:00 人家まで27mに。動きがほぼ止まったことから、土のう積み作業が始まる