新潟県上越市頸城区の「樹下(じゅか)美術館」内にある閑静でおしゃれなカフェが、いやしの場やデートスポットとして人気だ。
同館のカフェは白と茶を貴重としたシックな落ち着いた空間で、4枚の大きなガラス越しに望める四季折々の庭や田畑などの自然は、心をいやしてくれる。シンプルでゆったりした椅子はデンマーク・フリッツハンセン社の名作「セブンチェア」。クラシックや軽いポップスが流れる中で、本や画集を眺めていると、時間がゆっくり流れていく。
カフェでの飲み物はコーヒーと紅茶、抹茶など。コーヒーはポットで頼めば、2杯分楽しめる。コーヒー、紅茶は7種類のアンティークカップの中から選べる。
シェリーの三角ハンドルトリオ(イギリス・1910~30年)、ワイマール社のババリアのアールデコトリオ(ドイツ・1930年前後)、ロイヤルドルトンのタンゴシリーズ(イギリス・1930年代)、ミントンのシノワズリ(イギリス・1800年代後半)など、いずれも名品ぞろいだ。
本年度は新たに、イギリス・メルバ社の「ドリー・バーデン」のカップとソーサー、ケーキ皿のトリオが加わった。ドリー・バーデンはディケンズの小説に登場する若い女性の名だという。1943年製のビンテージ品だが、その明るく楽しい色調に驚く。
カフェは15席あるが、時には混み合うことも。杉田玄館長は、「最近はリピーターの方や、紹介されて美術館やカフェに来られる方が多い。心身が疲れた方、心に荷物を抱えている方など、いやしの場として利用していく方も多い。最近は若い人のデートスポットとしても人気だ」と話す。
【美術館の紹介】
「樹下美術館」は、齋藤三郎氏の陶磁器と倉石隆氏の絵画を常設展示している個人美術館。冬期休館を終わり、2012年3月1日に5年目の開館を迎えた。
本年度は齋藤三郎氏が「陶齋の四季」と題し、ウメ、コブシ、アサガオ、ドングリ、ザクロ、ササなど、四季の花をあしらった器を季節順に展示した。27点の作品を右回りに見ていくと、四季の変化が味わえる。
倉石隆氏の絵画は、「多様な倉石隆」と銘打ち、困窮する戦後の高田の生活の中から描いた素描、東京時代の人物油彩とデッサン、冒険小説「宝島」の挿絵原画など、計15点の多様な作品を展示している。
樹下美術館のホームページ
http://www.juca.jp/