山岸元議長の副市長就任に市議会が同意

新潟県上越市議会12月定例会最終日の2011年12月16日、村山秀幸市長は元市議会議長の山岸行則氏を副市長に登用する人事案を提案した。記名投票で採決が行われ、議長を除く44人の議員のうち33人の賛成で議会が人事案に同意した。市民ネット改革(5人)、共産議員団(4人)のほか、市政みらいの森田貞一議員と創風クラブの大島洋一議員が反対した。

記名採決の様子
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採決に先立って討論が行われた。賛成の立場で3人が討論し、このうち塚田俊幸議員(市民クラブ)は「市長がそのときどきに必要な人材で執行態勢を作るのは当然。二元代表制の下でも議員経験で培った優れた能力と豊富な経験を生かしてもらうことが市民の利益につながる」と述べた。反対の立場では2人が討論。水澤弘行議員(市民ネット改革)は「二元代表制で行政をチェックしている議員が、任期途中に議員辞職し1か月後から行政側の副市長になるとはいかがか」などと批判した。

山岸氏の任期は来年1月1日から。現職の稲荷善之副市長は12月31日に辞職し、その後は県に復職する。
 人事案の同意を受けて本会議終了後、山岸氏は「村山市長の『市民がど真ん中』を私の立場からしっかりと支え、市民の安心・安全・安定と上越市のさらなる前進に向けて一意専心で職務に励みたい」と議場であいさつした。

山岸氏のあいさつ(動画2分4秒)


 今回の副市長人事をめぐって市議会内には、議長経験もある山岸氏が12月1日の議員辞職から日をおかずに執行機関の一員となることなどへの批判が、会派を問わずあった。このため本会議ではまず採決方法について賛成派、反対派が争った。人事案の不同意を求める議員は「氏名が明らかになれば今後にしこりが残る」として無記名投票を要求。無記名の方が不同意に票を投じ易く、賛同者が増えるだろうという戦術だ。一方、賛成派は「議員個々の考えを市民に示すことが透明性の高い開かれた議会」と記名投票を主張。結果は、賛成派が多数で記名投票が行われた。