ベテラン上越市議が本会議中ずっと「内職」

新潟県の上越市議会本会議場で、一般質問が行われていた2011年12月8、9日の2日間、永島義雄議員(71)が自席に堂々と名簿を広げ整理作業を続けていた。永島議員によると「これまでの政治活動で知り合った人たちの名簿の整理」だといい、取材に対し「一般質問は毎回同じような話の繰り返し。貴重な時間をじっと話を聞いているのはもったいない」などと説明した。

一般質問が続く本会議場で「名簿整理」を続ける永島議員(2011年12月9日撮影)
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一般質問初日の8日、本会議が開会した午前10時、永島議員は黒いひもで左側をとじた数十ページにおよぶとみられる名簿を自席に広げた。「氏名」、「住所」、「電話」、「紹介者」といった項目がある名簿で、これを別の用紙に書き移したり、修正液で消したりといった作業を開始。正午の休憩を挟んで午後も同様に続けた。翌9日も午前、午後、同様に作業に励んだ。永島議員が名簿整理の「内職」を続けたこの2日間、12人の議員が津波・原子力防災や並行在来線対策、三セクの整理などについて質問している。

内職をしていれば通常、一段高い場所にいる市議会議長から注意を受ける。しかし、永島議員は現在5期目のベテラン議員のため、議長から一番遠い最後列に議席がある。滝沢逸男議長は「私の席からは見えなかったが、事実だとすれば誠に遺憾だ。そういう感覚や姿勢で議会に臨むというのは、本人の資質の問題というしかない」として週明けに永島議員から事情を聞き、注意をする考えを示した。

9日午後に記者から指摘を受けても「あんな何度も聞いたような議論を聞いて居眠りするより、政治活動のほうがいい」などと議場での内職について開き直った説明をしていた永島氏だが、9日夕の本会議終了後には一転、「大変申し訳なかった。深く反省している」と話した。

上越市議会議員の定数は48。来年4月に改選を迎え、定数が32に削減される。

上越市議会の議席
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