重文級・聚楽第屏風の学術調査委が初会合

上越市立総合博物館に寄託されている「御所参内・聚楽第行幸図屏風(ごしょさんだい・じゅらくていぎょうこうずびょうぶ)」の学術的な評価を行い、今後の保存と利活用策を考える同市の学術調査委員会の初会合が11日、同博物館で開かれた。委員会では来年度中に見解をまとめ、市民に報告する。

「御所参内・聚楽第行幸図屏風」右隻
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「御所参内・聚楽第行幸図屏風」左隻
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屏風には、豊臣秀吉が京都に造営した「聚楽第」へ後陽成天皇が行幸する様子が描かれている。2008年に上越市内の民家の蔵で発見された。上杉景勝や直江兼続の活躍と重なる約400年前の桃山時代に描かれた屏風で、これまでの研究でも国宝・重要文化財級の貴重なものとみられている。

市教育委員会では、この屏風の歴史的、美術史的な評価を行い、適切な保存と利活用につなげるため今回、美術史、日本史の有識者4人からなる検討委を設置。委員長には上越教育大学の川村知行教授が就任した。

年度内にあと2回の会合を開く予定。学術的な評価とともに、適切な保存のための展示頻度などを含め、来年度中に委員会としての見解をまとめ市民に公表する。

初回の会合では、秀澤光夫教育部長が4人の委員に委嘱状を手渡し、「毎年市内で見付かるさまざまな歴史史料の中でもこの屏風は特別な存在で、市内外の方々の関心も極めて高い。当市としてはその期待や願いに何らかの形で応えていきたい」とあいさつした。

 総合博物館で開かれた学術調査委の初会合
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