観光地の土産物には「おもしろ土産」というジャンルがあって、ありきたりの土産じゃつまらないという人に人気があります。職場の人や友人などを驚かせたり、話のネタとして売れているそうです。笑いに敏感に反応する若い女性や、いたずら盛りの学生にもうけています。
各地の「おもしろ土産」を集めてみましたが、まじめな風土や気質のためか、新潟県内や上越地方にはほとんどありません。そこでお中元や、帰省客にも喜ばれる郷土のおもしろ土産を試作してみました。だれかこのアイデア、使ってもらえませんか?
「赤いろうそくとゲンギョ」
上越市生まれの日本童話の父、小川未明の代表作「赤い蝋燭と人魚」のパロディー。ゲンギョは名立区の特産の深海魚で、漢字で「幻魚」とも書く。加工前の姿はグロテスクだが、干物に酒のつまみにおいしい。 厳寒期に作られるゲンギョの寒干しはおいしい。
最近は冷凍にして年中販売されているほか、佃煮も販売されている。ロウソクとゲンギョの2点の詰め合わせは土産にいかが?
「川上せんべい」
日本ワインの父と称される岩の原葡萄園(上越市北方)の創業者、川上善兵衛(かわかみ・ぜんべい)のパロディー。ワインに適した葡萄の品種改良に取り組み、代表品種「マスカット・ベーリーA」などを育種した。赤ワインには抗酸化作用があるポリフェノールが多く含まれている。「ポリポリフェノール」が入ったワイン入りのせんべいを土産にいかが?
全国の「おもしろ土産」
ダジャレ系
生れて墨ませんべい(青森県・八戸屋)
2009年に太宰治生誕100年を記念して発売したイカ墨せんべい。太宰の小説「二十世紀旗手」の有名な一節、「生れてすみません」をもじった。味も抜群。「如何(いかん)せんイカせんべい」という派生商品もある。
http://www.hachinoheya.co.jp/
斜羊羹(青森県)
これも太宰治の名作「斜陽」をもじった羊羹。太宰の生家「斜陽館」の向かいにある土産物屋マディニーで販売。
走れメロンパン(青森県・吉田ベーカリー)
太宰の「走れメロス」を題材にしたが、少し苦しい。「撰ばれてあることの恍惚(バター)と、不安(あん)と2つわれにあり」というコピーがパッケージに印刷
面白い恋人(大阪府・吉本倶楽部)
みたらし味のクリームをサンドしたゴーフレット。北海道銘菓「白い恋人」のパロディ。2010年7月発売。
エッチ系
子宝ちんこすこう(沖縄県・珍品堂)
沖縄の土産といえば「ちんすこう」が有名。これは子宝バージョンの「ちんこすこう」というちょっとエッチな土産。「ちんことわざカルタ」1枚入り。
http://chinkosukou.com/
おっぱいプリン(山形県・よしだ聖菓)
ぷるぷるとしていて本物と見間違えるくらいの出来栄え。米沢市の銘菓?
http://www3.omn.ne.jp/~pudding/
*同様の「おっぱいプリン」は名古屋、函館、水戸、東京、秋葉原、横浜、静岡、飛騨、大阪、神戸、福岡などのバージョンがある。本県にも「新潟おっぱいプリン」がある。
ウンチ系
大仏さまの鼻くそ(奈良県・ヤマモト物産)
鼻くそをイメージした菓子玉。2004年5月、「大仏は信仰の対象であり、到底耐えがたい」と憤る東大寺の異議申し立てを受けて商標登録が取り消された。
月の兎の運呼(長野県・中野市産業公社)
土人形の里、信州中野の月兎を題材にした豆菓子。http://clay-doll.jp/tsukinousagi/goods.php
*沖縄には「ヤンバルクイナの運幸」「シーサーの運幸」「イリオモテヤマネコの運幸」という豆菓子がある。
御神鹿のふん(奈良県・久保田商店)
ピーナッツ入りの豆菓子。おもわず買うのをためらうほど。
http://www.naraken.jp/eshop/kubota_syouten/
*このほか「なまはげの○んこ」「秋田犬の鼻くそ」「比内鶏のフン」など類似商品は全国各地にある。
そっくり系
たこ焼きにしか見えないシュークリーム(広島県・虎屋本舗)
形やソースのかかり具合などは、まさしくたこ焼きそのもの。味も良く、広島お土産ランキングでいつも上位の人気商品。ほかに、本物そっくりのスイーツシリーズがたくさんある。
http://www.tora-ya.co.jp/
ますずしもどきクッキー(富山県・蜃気楼)
ます寿しと同じパッケージや曲げわっぱの容器を使い、クッキー生地の上に羊羹がのった和洋折衷の菓子。
富士の石(山梨県・みよしや)
溶岩にそっくりな砂糖菓子。
鍋焼きプリン(高知県・一文字菓子店)
高知県須崎市の名物・鍋焼きラーメンそっくりに作ったプリン。スープをカラメルゼリー、めんがマロンペースト、ちくわはシュークリームの皮、卵は黄桃と生クリーム。2002年10月発売。http://www.ichimonji-web.com/
そっくり味系
たこ焼きようかん(大阪府・せのや)
アルミパックの封を切ると、紛れもないソースの香りが広がる。口に入れると、塩ようかんの味とともに、たこ焼きの味と風味が絶妙に表現されている。大阪土産の新定番。餃子ようかんもある。
ジンギスカンキャラメル(北海道・札幌グルメフーズ)
あまりのまずさで人気が出たという不思議な商品。ニンニクとネギの味はするが、ジンギスカン料理の味はしない。話題作りの土産として人気が出た。意外においしいと評価する人もいる。
白河ラーメン饅頭(山形県・大黒屋)
まんじゅうの表面には刻みネギと白ゴマ、さらになると巻きがトッピング。まんじゅうのあんにはメンマがはいっており、ラーメンスープを感じさせる味。白河ラーメンマップ付き。http://www.shirakawa.ne.jp/~daikoku/
ブラックジョーク系
ハブの毒まんじゅう(沖縄県・リファレンス)
6個のうち1個が激辛というロシアンルーレット的なまんじゅう。沖縄産島唐辛子を使用。忘年会、新年会、パーティなどで楽しめる。
ワイロ最中(静岡県・桃林堂)
田沼意次の悪名高い賄賂政治を逆利用した牧之原市のゆかいな土産。ふたを開けると饅頭の写真の下に小判形の最中と、のし袋が入っている。
*似た商品に新潟交通商事の『越後名物 献上お菓子』というのがある。箱には『越後屋おぬしもなかなかの悪たぬきよのぉ』と書いてある。新潟駅などで買えるようだ。