「くびきの」でノロウイルス集団感染 2人が死亡

医療法人知命堂病院(上越市西城町3、野村穣一理事長)は2010年12月13日、同法人が病院に隣接して運営する介護老人保健施設くびきの(定員96人)で、感染性胃腸炎が集団発生し80代女性と90代男性の入所者2人が死亡したと発表した。

会見で説明する野村理事長(中央)
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13日午前時点で発症者は入所者、職員合わせて44人。同施設は集団感染が判明した12月11日以降、医師、看護師以外の入所と退所を禁止。平日に行う通所のリハビリも13日午前から取り止めている。通路でつながる知命堂病院では通常の外来受付など診察は行っているが、感染した施設の入所者が入院しているため、入院受付は行っていない。

発表によると、9日に80代女性入所者が嘔吐と下痢を訴え、10日午後から翌11日朝にかけてさらに入所者13人が同様の症状を訴えた。同法人では感染性胃腸炎の集団発生と判断。その時点で職員5人も発症していた。

その後も発症者は増え続け、12日早朝に80代女性と90代男性が相次いで死亡した。同法人では死因を「感染性胃腸炎によるものとみている」としている。また一人が隣接する病院に入院している。

同法人は検査でノロウイルスが検出されたが、感染経路は不明で、治療や原因究明、感染の拡大防止に努めているとしている。上越保健所にも既に連絡している。13日午前以降の新たな発症者はおらず、大半は回復しているという。

発表後に行った会見で野村理事長は「大切なご家族をお預かりしながらこのような事態が起きたことは申し訳ない」などと語った。

施設では2004年3~4月にも入所者や職員のべ65人が感染性胃腸炎を発症している。死者はいなかった。
 くびきのは3階建てで11日時点で93人が入所していた。
感染性胃腸炎で2人の死者が出た介護老人保健施設くびきの
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