社会主義者の弾圧で知られる大逆事件(1910年)で活躍した上越市ゆかりの弁護人、平出修の旧宅(上越市大町2)の改修工事が完了し2010年10月16日、一般公開された。今年は大逆事件から100年の節目で、旧宅保存に奔走した市民団体「高田平出修の会」(笠原さい子代表)の発足30周年にもあたる。
*大逆事件とは(ウイキペディアへのリンク)
*平出修とは(ウイキペディアへのリンク)
平出修は新潟市出身で大逆事件で弁護人の一人で、歌人や小説家などとして多彩な才能を発揮。石川啄木や与謝野鉄幹、晶子とも親交があった文学者でもある。旧高田市の弁護士、平井善吉の妹、ライとと結婚し旧宅で新婚時代を過ごすなど、上越市にゆかりがある。
旧宅は築120年以上といい老朽化が著しく、2005年から同会の会員などでつくる「旧宅保存会」が、市民から寄付を募るなど保存に向けた運動を実施。市民の寄付と市の補助金計1400万円をかけて2008年から改修工事をしてきた。旧宅は、木造1階建てで4畳と床の間のある6畳二間の簡素な造りだが数寄屋風で欄間やふすまの引手に細工があり、国の有形文化財に登録されている。
旧宅は会合で使うほか今後、資料を集め、資料館にしたいとしている。