ウサギと歩む第二の人生、東本町5の塩崎さん

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自宅でウサギを飼育している上越市東本町5の塩崎清秀さん(57)は、仕事を退職した2010年、自宅内に「ウサギ無料貸出サポートセンター」を開設し、10年前から行っていた小学校への無料貸し出しを本格化させ、人気を呼んだ。卯年の今年は一般への有料貸し出しを行うなどサービスを拡大する予定で「ウサギたちと私にできることは何でもやってみたい」と意気込んでいる。

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塩崎さんが飼っているのは日本ウサギの雑種で、現在33匹いる。センターでの貸し出しは、小学校生活科の授業で動物の飼育が行われる6月~12月。期間中は24時間メールで飼育相談を受け付けるなど充実したサポートが好評で、昨年は上越市、妙高市の11小学校へ計27匹を貸し出し、児童には「ウサギの先生」と親しまれた。

元県職員で学校事務の仕事をしていた塩崎さんは、16年前の高田盲学校勤務時代にウサギを飼い始め、その後知人からの譲渡や交配で飼育数が増えた。

貸し出しを始めたのは10年前の高田農業高校勤務のとき。学校などへ動物を貸す取り組みを知り、数が足りないときに自宅のウサギを提供した。塩崎さんのウサギの話は教職員の口伝えで広がり、勤務先が変わっても貸し出しは続いた。退職した昨年、多くの子ウサギが誕生し飼育数が約30匹になったため、地域の小学校に声を掛け本格的に無料貸し出しを開始。自宅を同センターとした。

退職後の第二の人生に、ウサギはなくてはならない存在になった。ふんの始末、えさやりは手間がかかる。靴をかんでボロボロにされることもある。世話があるため家を離れられず、妻の千恵子さん(55)とは10年以上2人で旅行をしていない。しかし夫妻にとってウサギは「子供のよう。いない毎日はありえない」という。

今年は保育・幼稚園、学校への無料貸し出しのほか、一般への有料貸し出しも行う。自宅にはウサギと触れ合える場所なども作る予定だ。「ウサギとやりたいことがたくさんある。卯年にちなみイベントへも飛んで行きたい」とはつらつとした笑顔を見せた。

問い合わせは025-525-6053。