上越市「津波避難ビル」指定へ 候補調査に着手

東日本大震災の津波被害を踏まえて上越市は津波発生時に住民が逃げこむことのできる中高層の「津波避難ビル」の候補施設の調査に着手した。2011年6月16日、市議会6月定例会の一般質問で村山秀幸市長が明らかにした。

県による津波浸水想定では、佐渡と能登半島との間の南北約100kmを震源域とする新潟南西地震が上越市の沿岸に最も大きな影響を与える地震と想定されている。マグニチュード7.7で高さ5mの津波が想定されている。村山市長は「地震の震度や津波の波高などを踏まえ、最悪の状態を考えることが危機管理の要諦」と述べ、全般的な防災計画見直しの中で、民間施設も含めた津波避難ビルを検討していることを明らかにした。

また、村山市長は「当市は約39kmの海岸線を有しており、その全てに防潮堤や避難場所として中高層施設を設けるなどハードだけで津波を防ぐことは極めて困難。まずは一人ひとりが迅速に自主的に避難することが重要」と話した。

また糸川市などで実施されている電柱への海抜表示については「全般的な対策の中で検討したい」と答弁した。

 市議会で答弁する村山市長
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