節電に昔ながらの蚊帳はいかが

東日本大震災の影響で夏の電力不足が懸念される中、かつて麻問屋を営んでいた上越市東本町1の高野恒男さん(70)は、節電の一環として昔ながらの蚊帳で夏の夜を過ごすことを提案している。「エアコンよりも自然の風を感じられる蚊帳を使い、ちょっと昔の“昭和の涼”で今年の夏を過ごしてみては」と話している。

高野さん所有の木綿製の蚊帳
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高野さん宅は明治32年に創業し、昭和40年代後半まで続いた麻問屋。高野さんによると蚊帳は、昭和40年代ごろまで各家庭で使われ、嫁入り道具の一つとしても購入されたというが、網戸やエアコンなどの登場により昭和40年代ごろから徐々に姿を消し、使われなくなったという。

麻問屋の廃業に伴い大半の商品は処分したというが、「蚊帳はだんだん貴重な品になる。いつか何かの役に立つ」と50張ほど手元に残しておいた。高野さん自身も使う機会はなかったが、今年の節電への呼び掛けを受け、蚊帳の再活用を思いついた。

高野さんは「打ち水をすると外から入る風も涼しくなり、風鈴を吊るせば耳にも涼しく涼感が高まる。蚊帳に入ってうちわを使うなど、昔の生活の知恵を見直してみては」と話している。

高野さんの手元にある木綿や麻などでできた50張の蚊帳は、希望があれば有料で販売する。子供用の物もある。値段など問い合わせは高野さん電話080-1008-0040。

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