どこにも存在しない「中村ラーメン店」

スピード違反 1万円
ラーメン1杯 500円

   — 中村ラーメン店

という、おもしろ看板が上越市清里区の県道青柳高田線沿いにある。

清里区の県道沿いにあるユニークな看板
20100921kanban

有名な佐渡市の「スピード違反10000円、佐渡わかめ800円」や「追い越し違反9000円、佐渡するめ500円」という交通標語の焼き直しである。

佐渡の標語は、違反の罰金に比べると佐渡産のワカメやスルメは安く、そのお金で土産に買って帰れば喜ばれることをアピールしている。

とすれば、1杯500円のラーメンを出す「中村ラーメン店」が存在するはず。スピード違反をするぐらいなら、この店のラーメンが20杯も食べられる計算だ。

上越市の市街地から県道を東に向かって車を走らせると、交通看板のある清里区寺脇集落のすこし前から小高い山が目立つようになる。田んぼばかりで、ラーメン店どころか、自動販売機さえ見当たらない。

今日2010年9月21日から30日までの10日間、秋の全国交通安全運動が繰り広げられることに関連して、このユニークな標語看板を取り上げようと思ったのだが、どうも「中村ラーメン店」探しのほうが面白そうである。

もしかして、農家の土間でラーメンを食べさせるような隠れ家的な店があるのか、と期待もふくらむ。

話を聞こうと農家の作業所まで入り込んでいったら米泥棒かと怪しまれる始末で、調査は難航した。ようやく、看板は寺脇町内会が2009年に作成したことが分かり、町内会長の中村敏雄さんを訪ねた。

中村さんは「5年も10年も前だったか、佐渡でユニークな交通標語の看板(佐渡わかめの標語)を見ておもしろいと思い、それを焼き直したんです。材料もそれほどかからないし、町内会と警察と、車庫の所有者の了解を得て、主に私が作りました。町内会の名前を入れるのも当たり前すぎるので、中村ラーメン店にしたんです。町内には8世帯ありますが、ぜ~んぶ名字が中村なんです。ラーメン店なんて探してもありませんよ。ははは」と笑った。

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