妙高山の雪形 「はね馬」の一生

上越地方に春の訪れを告げる妙高山の雪形「はね馬」。毎年、雪消えのころになると、外輪山の一つ、神奈山(1909m)の中腹に、前足をはね上げる馬の姿が現れる。里に春耕の開始を知らせる先人の知恵だ。

↓中郷区の歩道橋にある「はね馬」が描かれたパネル
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 上越市、妙高市の人にとっては、見慣れた「はね馬」であるが、雪形が現れてから消滅するまでの様子を観察した人は少ないのではないか。

上越タウンジャーナルでは2011年4月1日から6月2日まで、妙高市のはね馬大橋から見える「はね馬」の姿を撮影した。細身の馬が姿を現し、だんだん太って牛のような姿になるまでを追ってみた。

↓妙高山の雪形 「はね馬」の一生(41秒)


 今は「はね馬」という呼称が一般的だが、各地域には「春駒」「馬形」「はね駒」「起き馬」「馬」などさまざまな呼称が存在している。児童文学者、杉みき子さんがエッセーなどで「はね馬」という呼称を使い始めてから、一般的になったようだ。

昔は農作業の目安とされた跳ね馬であるが、マスコミに季節の風物詩として取り上げられるほか、郷土のシンボルにもなっている。

上越市中郷区の歩道橋には、はね馬が描かれたパネルが取り付けられている。妙高市には「はね馬大橋」があり、説明板がある。また、妙高市の観光キャラクター「ミョーコーサン」には、はね馬のマークが付いている。妙高市出身で引退した霜鳳関の化粧まわしは、はね馬をデザインしたものであった。