上越市内でユッケの販売自粛相次ぐ

焼肉チェーン店「焼肉えびす」で集団食中毒が発生し4人が死亡した問題を受け、上越市内の焼肉店では原因とみられている生肉料理「ユッケ」の提供を一時中止する店舗が出ている。中止している焼肉店の多くはチェーン店だが、地元企業の店舗では提供を続けている店もある。=2011年5月6日現在=

ユッケの販売自粛の告知(カルビ屋三夢・5月6日)
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食中毒の問題を受け、全国展開するチェーン店「牛角」の直江津店(下門前)、高田店(東本町3)は本部の指導により2011年5月5日から販売を中止。「焼肉さかい」の上越春日山店(大豆1)は5月3日から中止した。また長野、富山、新潟に店舗を展開する「焼肉のバーンズ」上越店(下源入)は5月2日から販売を見合わせた。新潟、長野などに店がある「カルビ屋三夢」の上越インター店(富岡)は5月5日から中止している。

いずれの店舗でもユッケは人気商品といい、「うちでは、若い方から年配の方まで幅広い方からご注文をいただいているメニュー。残念がる声も多いが、お客様の安心が最優先」と焼肉さかい上越春日山店。カルビ屋三夢上越インター店は「国の安全基準に対する動きを見て、あいまいな部分が解消されない限り販売を自粛するというのがグループの方針。当面の期間、販売しないことになると思う」と話す。

一方で、地元企業の肉のたなべ(春日山町1)が運営する上越食道園(同)は提供を続けており「販売の自粛は考えていない」と話す。「ユッケに使用する肉は、精肉業者が処理してあるといっても、必ず店で外気に触れる部分はそぎ落として使用しており、まな板や包丁もユッケ専用のものを使っている」とし、「衛生管理を徹底しているので、安全にお召し上がりいただける」と話している。

なお、上越市内の焼肉店で今年3月、牛のレバー刺しや焼肉を食べた30~70歳代の男女8人が下痢や腹痛など食中毒症状を訴え、このうち6人が医療機関を受診した。患者5人の便から食中毒菌のカンピロバクターが検出され、上越保健所ではこの店を2日間の営業停止にしている。

上越保健所では、なるべく生肉は食べずに、十分に火を通してから食べるよう呼び掛けている。