大和上越店の「人魚像」 市民ら保存模索

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2010年4月25日に閉店する大和上越店(上越市本町4)に1975年のオープンとともに設置され、店のシンボルとして親しまれてきた「人魚像」を、保存しようという声が市民の中から上がっている。像は同市出身の児童文学作家、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」にちなんで作られたもので「建物とともに壊されるのは惜しい」と有志が移設に向けて模索している。

人魚像は同店1階にある。1975年7月のオープンに先駆けて「上越を象徴するようなものを設置しよう」と大和が地元の意見を踏まえて設置したという。かつては人魚像の周囲に噴水装置も動いていて、トレビの泉のように小銭が投げ込まれていた。

同じ本町商店街で営業している大島画廊の大嶋宰さん(82)は「市民に親しまれ、一つの時代を築いた。歴史的なシンボルを壊してはいけない」と大和に移設を提案している。また市にも相談し現在、移設先やその方法を模索中だ。「何とか残したい。市民の皆さんに関心を持ってほしい」と話している。

大和閉店後は既存ビルを解体し新たに低層商業施設を建設する方針が示されており、何もしなければ人魚像も一緒に取り壊されることになる。