避難所の上越勤労身障者体育館に無線LAN

東日本巨大地震や東京電力福島第一原子力発電所の事故で福島県などからの避難者を受け入れている上越市の勤労身体障害者体育館に2011年3月23日、無料で使える無線LANスポットが設置された。避難者の情報収集に役立ててほしいと社団法人上越市有線放送電話協会が自社DSL回線を使い無線LANアクセスポイントを開放したほか、誰でも使えるノートパソコンも置いた。(江口)

体育館の入口には避難者が自由に使えるパソコンを設置した
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ノートパソコンは避難所の入り口付近に設置されているが、無線LANによりスマートフォンなどを持ってれば居住スペースである体育館の中でもインターネットに接続できるようになった。

3月23日現在、この避難所の避難者数は35世帯128人。これまでこの避難所には自由に使えるインターネットに接続されたパソコンはなく、今回の設置で「これがあればいろいろと分かる」などと歓迎する声が聞かれた。

避難者の中にはノートパソコンを持ち込んでいる人が複数いたほか、ニンテンドーDS、プレイステーション・ポータブルなどインターネットに接続できる携帯ゲームを持った子どもたちも多く、無線LAN設置を子供たちもよろこんでいた。

ノートパソコンを持っていた中学生(右)の無線LANの接続設定を手伝う上越有線放送の職員
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ノートパソコンを持っていた南相馬市の中学3年生、島優哉君(15)は「これまではパソコンと電源はあっても音楽を聞くことくらいにしか使えなかった。ネットにつながってとてもうれしい。結構暇なので好きなバンドの動画などを見たい」と話した。相馬市の中学3年生、佐藤拓也君(15)もノートパソコンを持っていた。「これまではネットに繋がらなかったのでパソコンはただのお荷物だった。ネットにつながって本当にうれしい」と話していた。