上信越自動車道の4車線化 転石・豪雪などで難航 工事完了は2019年度に

ネクスコ東日本新潟支社は2018年7月13日、上信越自動車道の信濃町インターチェンジから上越ジャンクション間の37.5kmで進めている4車線化工事の進ちょく状況などについて、報道機関向けに説明会を開いた。当初2018年度中の工事完了を目指していたが、区間は日本有数の地すべり地帯、豪雪地域であることなどから工事は難航。年度内に4車線化となるのは区間の約8割で、全完了は翌年度になる見通しとなった。

照明も設置され、明るさの確認など最終工程に入っている金谷山トンネル 211

渋滞緩和や対向車との衝突防止に

2012年に事業許可を得て、2014年度から本体工事に着手した。2車線から4車線化することにより、交通渋滞の緩和や、対向車との衝突事故の防止、冬期の円滑な交通の確保などの効果が期待されている。

先月時点での進ちょく率は7割

説明会では、同支社信越工事事務所の川崎裕二所長らが、工事の進ちょく状況などについて説明した。6月末現在、トンネル5本は全て貫通。橋梁は下部工事80基が全て完了し、上部工事は20橋中、12橋が完成しているという。事業費約620億円ベースの進ちょく率は7割。

大きな転石などで工事難航

川崎所長は、工事の完了が2019年度に延びたことについて「(供用中の)高速道路の横で工事を進めていかなければならず、それ自体難しい。加えて当該区間は日本有数の地すべり地帯、豪雪地域ということもあり、かなり難しい工事になった。残りの2割区間は結果的に19年度の完了になったが、安全を最優先に工事を進めていきたい」と説明した。また、利用者に向けては、「今後も夜間工事や車線切り替えなどでご迷惑をお掛けするが4車線化には必要な工事。ご理解いただきたい」と協力を求めた。

大きな転石の出現など、難航を経て施工工事が続くれいめい橋 22

報道陣には上越市の金谷山トンネル、新潟県と長野県堺に掛かるれいめい橋、妙高市の太田切川橋の3つの工事現場を公開した。このうち、れいめい橋の工事では、火山の影響を受けたとみられる、想定を上回る大きさの転石が出現。柱を作る工事が難航し、構築に遅れが生じたという。柱は昨年夏から徐々に完成。現在は上部工事が行われており、橋脚から左右均等に橋体を伸ばしていく「張り出し架設工法」よる施工が進められている。

8月下旬には工事による通行止めも

一連の工事に伴い、8月21日から24日、27日から28日の午後8時から翌朝午前6時まで、妙高高原インターチェンジ〜上越ジャンクション間で、上下線とも通行止めとなる。同支社では利用者に理解と協力を呼び掛けている。

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