珍しい殻付きのタコが上越に相次ぎ漂着 水族博物館で展示中

新潟県上越市などの海岸に殻付きのタコの仲間「アオイガイ」が相次いで見付かり、上越市立水族博物館で展示されている。国内では常設展示している例はなく、生きた状態での展示は非常に珍しいとされる生き物だが、2015年12月11日までに3匹が同館に持ち込まれた。

上越市立水族博物館の水槽の中を泳ぎまわるアオイガイ
アオイガイ

アオイガイは暖海域や熱帯域に生息するアンモナイトに似た形のタコの一種。メスのみが薄く半透明の巻き貝のような殻を持ち、この貝を二つ並べると葵の葉の形に見えることから、その名が付いたとされる。海の表層を漂うように生息し、メスはこの貝の中で卵を育てる。

アオイガイの貝殻
アオイガイの貝殻

12月10日に糸魚川市の能生漁港で2匹、11日には上越市谷浜の海岸で散歩をしていた男性が1匹を見付け、いずれも同館に持ち込まれた。体長は15cmほどの1匹を1階の水槽で展示している。

珍しいアオイガイを一度に3匹も入手したことについて同館では、「海の表層を浮遊しているので、潮の流れなどの影響ではないか」と驚いている。

生態にも謎が多く長期間の飼育が困難なため、同館では早めの見学を呼び掛けている。