小林古径邸で “1日限りのレストラン” 焼き栗使ったイタリア料理を日本酒で楽しむ

上越市三和区の焼き栗を使ったイタリア料理と、妙高市産の日本酒を楽しむ “1日限りのレストラン” が2017年11月11日、新潟県上越市本城町の小林古径邸で開かれた。上越の名所や食材の魅力を県外に発信したいと、上越市下門前のラ・ペントラッチャを拠点に東京や神奈川に6店のレストランを展開している「クオルス」(高波利幸社長)が主催した。同じメニューを東京のレストランで再現するほか、来春以降に会場と食材を変えて開催する予定。

小林古径邸の庭をライトアップして開かれた “1日限りのレストラン”
ライトアップ

三和区産の焼き栗を使ったメニューを考案

上越の食材に新しい感覚を吹き込み、五感すべてで料理を味わってもらおうと、上越の生産者などと協力して企画したプロジェクトで、新たな観光資源の創出や、全国への情報発信を狙いにしている。

参加者は食材や酒の関係者、行政関係、マスコミなど45人。会場には厨房がないため、キッチンカー2台と、食器やワイングラスなどを持ち込み、総勢14人で調理や配膳、接客を行った。

11月11日はイタリアで「サン・マルティーノの日」と呼ばれ、焼き栗と新酒のワインを楽しむ日。この日に合わせ、三和区北代の宮沢栗農園(宮沢和一代表)産の焼き栗(謙信甘栗)を食材のメインにし、銀座店の高橋誠シェフがメニューを考案した。

料理は宮沢農園の焼き栗がメイン食材。焼きたての栗もふるまわれた
クリ

地場産食材を使ったイタリア料理のフルコース。左上はメニューを考案した高橋シェフ
料理

小林古径邸はアプローチや庭が鮮やかにライトアップされ、静かにジャズが流れる中、"1日限りのレストラン"が開幕した。

メニューは次の通り。

  • おつまみ/イチジクとマスカルポーネ、18か月熟成のパルマ生ハム 栗粉のグリッシーニとニョッコ・フリット添え
  • 前菜/上越柿と蕪、能生魚介のタルタル仕立て 謙信甘栗と妙高ルーコラのドレッシング
  • リゾット/謙信甘栗と新潟カルナローリ米のリゾット ラルド添え
  • パスタ/上越猪豚のサコッティーノ 雪化粧カボチャのスープ仕立て、黒トリュフ添え
  • セカンド・ピアット/くびき黒毛和牛ヒレ肉のソテー 酒粕ゴルゴンゾーラソース、謙信甘栗と上越椎茸添え
  • デザート/秋のリース仕立て 謙信甘栗ペースト、干し柿、焼き栗、イチジク
  • パン/酒粕パン、栗パン、イチジクパン
  • 酒仕込み水で落としたコーヒー、アッサムティー

焼き栗をあしらった、くびき黒毛和牛のソテー
2017-11-11 くびき和牛

焼き栗や板倉区産のイチジクなどを使った色鮮やかなドルチェ(デザート)
ドルチェ

さまざまなタイプの日本酒で味わうイタリア料理

飲み物は、肉料理にワインを合わせたほかは、すべて日本酒。食前酒に提供された鮎正宗酒造の発泡清酒「Sweetfish」は爽やかな芳香を放った。リゾットには千代の光酒造の純米吟醸酒「K」が絶妙な相性をみせた。日本酒もすべて、ワイングラスで提供された。

宮沢農園の宮沢和一代表は「栗は零度で1か月以上貯蔵すると3倍ほどの甘味が出る。栗を料理に使うのは難しいが、シェフの力でおいしく調理していただいた」と喜ぶ。

鮎正宗酒造の飯吉守社長は「デザートと、樫樽貯蔵の米焼酎 “輪月” の組み合わせは新しく、焼酎の可能性を感じた」と話す。

次回は来春の観桜会の頃に開催へ

クオルスの高波社長は「次は花見の頃にやりたい。食材はナンバンエビのほか、3月頃のアンコウが一番おいしいと聞いたので使ってみたい。会場は旧師団長官舎、旧第四銀行高田支店、春日山城跡などを候補に考えている」と話していた。