新潟県上越市五智6の交通公園に植えられていた樹木のカイヅカイブキ約90本が昨年、葉が落ち枯れたようになっていたが、公園を管理する市は今年2月にすべて伐採した。樹木医の診断を受け樹勢回復を待っていたが、結局「枯れた」ためという。
伐採されたカイヅカイブキはヒノキ科の常緑針葉樹で、通常、濃い緑色の細い葉が密集して茂り、公園や庭の生け垣としてよく植えられている。交通公園では、隣接する市道沿い約240mに生け垣として約120本が植えられていた。
市は防犯上の理由などから2016年12月から2017年1月にかけて剪定作業を実施した。昨年7月、市民からの指摘でカイヅカイブキの葉がなくなっているのが分かった。
9月以降に樹木医を診断を数回受け、原因は不明だが「枯れかかっている」と診断された。少し芽吹いている木もあったことから樹勢回復を期待していたが、最終的に枯れてしまい、今年2月に伐採したという。
残っているカイヅカイブキは約30本で、静態保存されている1938年製造のSL(蒸気機関車)D51型75号車の周りは伐採後の切り株だけとなった。
公園を管理する上越市都市整備課によると、カイヅカイブキは多くの枝を切り落とす強剪定にも強い樹木で、樹木医の診断でも枯れたのは剪定作業が原因ではなく、昨夏の異常な猛暑や病気で樹勢が弱まっていたなど複合的な原因が考えられるという。
多くの木が伐採されたものの、鉄道ファンからは「すぐ横を通るえちごトキめき鉄道からSLがよく見えるようになった」との声もある。
同課では「隣接する市道と公園の区切りは必要。本年度、別の樹木の植栽を地域住民や関係者と相談し検討する」としている。