新潟県でも豚コレラワクチン接種開始 初日に上越市内700頭接種

家畜伝染病「CSF(とんコレラ)」の感染を防ぐため、新潟県は2020年1月16日、養豚場などで飼育されている豚へのワクチン接種を始めた。初日は上越市内の養豚場1か所約700頭に接種し、3月下旬までに県内すべての養豚とイノシシ農場112か所13万5000頭を対象に接種を行う。

上越家畜保健衛生所からワクチンを車に積み込む県の職員
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CSF(豚コレラ)は、2018年9月に岐阜県の養豚場で国内では26年ぶりに発生が確認されて以降、14府県で豚や野生のイノシシへの感染が確認されている。本県での発生は確認されていないが、農林水産省は先月、本県を含む感染が確認されていない8府県を「ワクチン接種推奨地域」に設定し、予防的に接種を行うことを決めた。

CSF(豚コレラ)ワクチンと注射器
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初日となったこの日は、上越市本城町の県上越地域振興局内にある上越家畜保健衛生所から、県の職員がワクチンを車に積み込み、市内の養豚場に向かった。

出発前には県農林水産部畜産課の眞島操課長が職員に対し、「国内でCSFが発生して以来1年4か月の間、県内の養豚業者や関係者は心配を抱えながら過ごしてきた。幸いにも本県での発生はなくワクチン接種を迎えることができ、関係者と連携をとりながら、まずはしっかりと接種を行ってほしい」と話した。

上越市内の養豚場でのワクチン接種の様子(新潟県提供)
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県畜産課によると、ワクチン接種の対象は、飼育されている生後1か月未満と出荷間際を除く豚やイノシシ。上越地域では市内の養豚場など6か所約2000頭が対象で、今月29日までに完了する見込みだ。眞島課長は「ワクチン接種をすれば完全に防げるというものではないので、養豚場では消毒など衛生対策の徹底をお願いしたい」と話した。

CSFは豚やイノシシの特有の伝染病で人に感染することはなく、仮に感染した豚の肉を食べても人体に影響はない。ワクチン接種についても、豚肉の品質や食べた場合の人体への影響はない。