元Jリーガーが上越高校サッカー部の監督に就任

サッカーのJリーグ2部(J2)などで活躍した藤川祐司さん(28)が2016年4月、上越高校サッカー部の監督に就任した。部員らのプレーの手本となるべく、ピッチの中で一緒にボールを蹴るなど、熱い指導を繰り広げている。「上越高校からJリーガーを輩出したい」と意気込んでいる。

上越高校 (2)

藤川さんは神奈川県横浜市出身。横浜F・マリノスの下部組織出身で、神奈川大学を卒業後、2010年にJ2の水戸ホーリーホックに入団した。その後、大分トリニータ、松本山雅FCでプレーし、昨年、J3の横浜スポーツ&カルチャークラブで現役を引退した。現役時代は、サイドバックやウイングバックなどでプレーした。

引退直後には、横浜F・マリノスから「ジュニアユースのコーチになってほしい」と打診を受けたという。しかし、同時期に新潟県サッカー協会の関係者から、上越高校が指導者を募集していることを伝えられた。

藤川さんは進路に悩んだ末、「現役時代は、いつも困難な道を選んできた」ことから、縁もゆかりもない上越の地で指導者になる道を選択。大学時代に保健体育の教員免許を取得していたことから、同校の教員として採用された。

3月からサッカー部での指導を開始。当時の部員は5人で練習もおぼつかなかった。「まずは0を1にする必要があった」と話し、最初の1か月はあいさつやマナー面を重点的に指導した。

4月からは、スポーツ文化専願入試などで1年生13人が入部。部員は18人となった。藤川さんは「俺の真似をしよう。俺と同じプレーができるようになれば、プロになれる」と熱く語りながら、部員らと精力的に汗を流している。

部員の輪に入って指導する藤川さん(中央)
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現役時代には、練習内容をこまめにメモしていたという。現在は、これまで受けてきた指導を参考に、選手にあった練習メニューを作り、日々消化している。日本サッカー協会の公認B級コーチのライセンスも所有している。

藤川さんは「まずは上越地域のサッカーをレベルアップさせたい。将来的には、上越高校からJリーガーが出るとうれしい」。サッカー部主将で3年の寺島慧人君(17)は「元Jリーガーからサッカーを教えてもらえるようになって、部員の意識が高くなった。練習から得るものも多い」と話している。