65歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種に向け、新潟県妙高市は2021年4月18日、接種会場となる同市上町の新井ふれあい会館で集団接種の模擬訓練を実施した。一般市民90人が参加し、医師や看護師、事務担当者など約70人が手順の確認や問題点の洗い出しなどを行った。
妙高市の集団接種模擬訓練(18日、同市上町の新井ふれあい会館)
同市では、65歳以上の高齢者のうち、19の福祉施設入所者730人は施設接種、残り約1万1000人が3会場での集団接種または医療機関での個別接種の対象となる。集団接種は5月10日からを予定している。
模擬訓練は本番と同様に会議室やホールなどのブースを巡回する方式で行われた。受付、動画視聴によるワクチンの説明、医師の診察、個別ブース内での看護師による接種、接種済証明書の交付、30分の健康観察の一連の流れを順に行い、副反応などで体調が急変した人の対応訓練も行われた。
訓練開始直後から本人確認や接種券と予診票のチェックなどを行う受付が混み合い、会場の外で行列が出来たほか、接種券を忘れた人や予診票の記入漏れがある人もいた。また診察は、医師が持病の有無や当日の体調などを聞き取り、接種が可能かどうか判断するため時間を要し、診察待ちで廊下に30人以上が並ぶこともあった。
老人会で模擬訓練に参加した同市白山町2の74歳の男性は「入り口の外で15分くらい待った。初めてのことだから、上手く人が流れていかない所や戸惑っている様子もあった。男性は腕にすぐ接種できるよう下着はランニングシャツがいいと思う」と話していた。
市健康保険課の今井一彦課長は「実際にやってみて、受付など人の流れが滞る所があったので、人員を増やしたり、やり方を見直したりして、本番を迎えたい」と話した。