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ノーベル賞の大村智さんが上越市で講演 「酒博士」坂口謹一郎生誕120年記念事業

3週間前


新潟県上越市出身で発酵や醸造の世界的権威で「酒博士」として知られる坂口謹一郎博士の生誕120年を記念するフォーラムが2017年11月2日、同市新光町1の上越文化会館で開かれた。微生物の研究で2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学特別栄誉教授の大村智さん(82)による講演が行われたほか、地元の中高生が微生物などの研究成果について発表した。

講演する大村さん
坂口博士フォーラム

次代を担う子供たちに科学への夢や希望を与えようと、官民で構成される「坂口謹一郎博士生誕120年記念事業実行委員会」が主催。市内19校の中高生をはじめとする市民ら1660人が会場を訪れた。

大村さんは「私の歩んできた道」と題して講演。山梨県の農家の長男として生まれ、「子供の頃はあまり勉強をしなかった」と話したが、山梨大学卒業後には、学問の道に進むことを決意。平日は高校教諭として仕事し、土、日曜は研究に励んだ。

山梨大学工学部発酵生産学科の研究室の助手となった際には、同大学を定期的に訪れていた坂口博士の集中講義を受けていたといい、「微生物に頼んで裏切られたことがない」という坂口博士の言葉を紹介した。子供たちに向けては「失敗を恐れ、挑戦しないでチャンスを逃すことを恐れなさい。成功した人は誰よりも多くの失敗をした人です」とメッセージを残した。

講演に先立ち地元の中学生や高校生による微生物などについての研究成果を発表。高田高校1年の相葉堅斗君は、セミの幼虫に寄生する冬虫夏草類のセミタケの発見について報告した。相葉君の発見で新潟県が生息域の北限となった。このほか上越教育大学付属中や高田農業高の生徒も、微生物や発酵食品についての研究成果を報告。大村さんは「素晴らしい発表だった。これからも自然に興味を持ってほしい」と評していた。