来月任期を迎え勇退する新潟県上越市の村山秀幸市長は市議会9月定例会最終日の2021年9月28日、議場であいさつし、3期12年を振り返った。
12年間で忘れられないこととして、まず「数々の大きな災害」を挙げた。2011年3月11日の東日本大震災と翌3月12日の長野県北部地震、翌2012年3月の板倉区国川の地すべり、2019年の台風19号による矢代川の決壊、昨冬の大雪災害などを振り返り、「市長に就いて以来、災害では常に想像力を働かせ神経を張り巡らせ、緊張感から開放されることはなかった。当市は自然の驚異と恩恵の上に成り立っていると強く実感した」と話した。その上で、洪水対策として懸案だった保倉川放水路に一定の道筋を付けたことにも言及した。
このほか、新型コロナ対応では「市民の健康と暮らしを守る道筋をつけることが、ここに来て最後の使命と考えた」として、組織挙げて全力で取り組んできたと強調。間もなく希望者へのワクチン接種が完了する見通しになったことについて「肩の荷が少し軽くなる思い」と述べた。
「12年間自らに与えた役割は、人口減少社会の未来に備える力を蓄え、次世代へと確実にバトンを渡すことだと信じて、職務にあたってきた」と述べ「地域の活力の源泉は人。これからも市民一人一人が社会との関わりを持ち、居場所を見つけ、ふるさとへの愛着とほこりを持ち、心身ともにすこやかに暮らせるまちとなることを心から願っている」と話した。
村山市長の任期は11月8日まで。