新潟県立高田高校は、生徒が式典などで着用する「式服」の導入を検討している。小野島惠次校長は上越タウンジャーナルの取材に対し「制服にするつもりは全くない。生徒からの否定的な意見が多ければ、導入自体を検討し直す」と話しているが、在校生や出身者らの間では「自主自律の精神に反する」「そのまま制服にするのではないか」との懸念も強く、波紋を呼んでいる。
高田高校は1970年に生徒会主導で制服を廃止した。それ以降は通学時をはじめ、創立記念式典や卒業式などの際も、生徒は私服で過ごしていた。
学校が今年10月からの導入を検討している式服は、上着のジャケット1枚。ズボンやスカートなどをどう組み合わせるかは、生徒に任せる方針。
同校によると、式服を検討するようになったきっかけは、2009年に開始した2年生の企業訪問。私服で参加した初年度に企業側から「私服はいかがなものか」との指摘を受け、翌年からは生徒にスーツの着用を事実上義務付けているという。小野島校長によるとスーツ着用については異論は出ていないという。
小野島校長はスーツでの企業訪問について「金銭的負担は大きいし、スーツで整列する生徒の姿は、高校生らしい姿とは思わない」と語る。また「スーツよりは、ジャケット1枚を指定して、その中で各自にコーディネートしてもらったほうが服装の幅は広い」と話す。
一方、出身者からは、女子の「推奨服」を本年度に制服化した県立新潟高校を例に、「高田高校の式服も制服になるのではないか」という懸念の声があがっている。
学校は昨年11月、生徒や保護者を対象にして服装に関するアンケートを実施している。今後、アンケート結果を公表し、集会を開いて校長が生徒と直接話し合う場を設けるという。
検討中の式服は、企業訪問のほか創立記念式典などでの着用を想定しているが、普段の学校生活はこれまで通り私服としている。