35年ぶりの記録的大雪で、家屋倒壊など重大な被害が生じている新潟県上越市高田地区の被害状況を確認しようと2021年1月14日、小此木八郎防災担当相が視察に訪れた。視察後、花角英世知事や上越地域3市の市長が除排雪費用の財政支援などを国に要望した。
上越市では1月7日から11日にかけて雪が降り続き、11日には高田で積雪249cmを記録。屋根に積もった雪の重みによる家屋の倒壊や、除雪中の死亡事故などが相次ぎ、10日には県が上越地域3市などに災害救助法を適用した。また同日から3日間、上越市では高齢者施設などの除雪作業のため、自衛隊の災害派遣が行われた。
視察には、花角知事や村山秀幸上越市長、高鳥修一衆議院議員らが同行し、同市南本町1で11日に倒壊した空き家や、屋根雪が積み上がる南本町3の雁木通りなどを歩いて見て回った。小此木氏は道中、除雪をしていた住民らのもとで足を止め、「雪の重みで家の戸が開かない」「雪壁で車も出せないので何とかしてほしい」といった窮状を直接聞く場面も見られた。
視察後、高田城址公園オーレンプラザでは、入村明妙高市長と米田徹糸魚川市長も加わり、意見交換を実施。県の道路除排雪費が11日時点で約80億円に達し、平年の約2倍となっていることなどから、県と3市はそれぞれ財政支援や被災事業者支援などを国に求める要望書を提出した。
小此木氏は「実際に町を歩いて住民の悲痛な叫びを聞き、国や自治体の情報共有や備えの重要さを感じた。(意見交換では)除雪期間の長期化を見据えた災害救助法の適用期間延長の要望もあり、自治体と話をするよう指示をしたので、しっかり前に進めたい」と話した。
花角知事は「つぶさに状況をご覧いただき要望を受け止めてもらえたと思う。県も市も財政状況が非常に厳しい中で必要な除雪をやらないといけないので、国の財政支援で支えてほしい」と訴えた。