“サイテー映画” 見て! 高田北城高美術部が高田世界館に手描き看板

新潟県上越市本町6の高田世界館の入り口に2020年2月13日、県立高田北城高校の美術部員が描いた大型看板2枚が設置された。“サイテー映画”、“ダメ映画”の金字塔2本を上映する「地獄上映会」をPRするもので、大胆な構図と人物の表情が人目を引き、「太陽系イチくだらない」などのキャッチコピーが笑える。

手描き看板の前で映画場面のポーズをする高田北城高校美術部員(2月13日)
美術部4

映画の看板を高校生が手描きで

上越市内の映画館では昭和後期まで、職人による味わいある手描き看板が掲示されていた。高田世界館を運営する街なか映画館再生委員会の岸田國昭代表は、「デジタル全盛の中、昔ながらの看板を作りたいと思っていた。映画とは一番縁遠い高校生に声をかけたら面白がってもらえた。これが社会と関わるきっかけになってほしい」と話す。

看板は美術部の2年生10人が半数に分かれ各映画を担当。放課後や休日を利用し、180cm×90cmのコンパネを各2枚を使って2週間ほどで描き上げた。原画を担当した朝妻縁さん(17)は「予告編などを見て参考にした。アメコミっぽく影などを工夫した」と話す。部長の梨本佳さん(17)は「(声がかかって)最初は驚いたが、いつの間にかやることになった。“満足度0%”の映画は気になるし、逆に見てみたい」と話す。

美術部員による看板制作の様子(提供写真)
美術部制作過程2S

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サイテー映画は「ノリで楽しむ」

上映される映画は「死霊の盆踊り」(1965年)と「プラン9・フロム・アウタースペース」(1956年)の2作品。前者は「死霊」とされる女性が裸踊りをするシーンが大半の“満足度0%”の作品。後者はナンセンスなせりふ、チャチなセット、大げさな演技、不可思議なストーリーなどに失笑が出るひどさ。ともに“史上最低”のらく印を押されているが、これまでファンに愛され続けてきた作品だ。

同館の上野廸音支配人は「途中退席は厳禁。見続けるのも地獄だが、ノリで楽しんでほしい」と話す。

初日は2本立て 江戸木純さんの解説も

初日の2月22日には、映画評論家・江戸木純さんの解説を交え、2本立て上映を行う。時間は午後5時30分から。「死霊…」は2月28日まで上映、「プラン9…」は2月29日から3月6日まで。上映時間などは、高田世界館の公式サイトで。

予告編