民家の床下浸水や法面崩落など 上越市が大雨の被害状況発表

新潟県上越市は2017年7月2日、前日までに降った大雨の被害状況をまとめた。高田地区の民家1軒で床下浸水、中郷区の温泉施設の機械室への浸水があったほか、道路や農地など49か所で冠水や土砂流出、法面崩落などの被害があった。けが人は確認されていない。

対策本部会議に臨む村山市長(2017年7月2日)
20170702-DCS_4513

上越市によると、7月1日に市内で観測された最大降水量は、名立区平谷の217mm。市内では昨年7月26、27日にも大雨があり、国指定史跡の春日山城跡の一部が崩落するなどの被害が発生。この時は、市内で観測史上最大となる24時間あたりの降水量242.5mm(同市高田)を記録したが、昨年の大雨に迫る降水量となった。

住宅被害では、高田地区の民家1軒で床下浸水があったほか、中郷区の「松ケ峯温泉ひばり荘」の機械室が浸水した。

公共施設の被害は、上越妙高駅自由通路の雨漏りと城山浄水場のシャッターの破損の2件。上越妙高駅自由通路では、天井の埋め込み型ライトの縁から雨漏りしていることが7月2日午前7時までに分かり、市職員がカラーコーンやバケツを置くなどして対応した。城山浄水場では、排水処理棟裏の斜面が崩れて土砂が押し寄せシャッターが破損した。

道路の冠水は16件確認されているほか、道路への土砂流出や法面崩落などは6件、農道や林道の路肩や法面などの崩落や土砂流出が13件、農地の法面崩落や冠水などが13件、河川閉塞が1件となっている。

避難勧告は板倉区、和田区、保倉区などの4647世帯1万3221人に発表され、避難の準備を呼び掛ける「避難準備・高齢者等避難開始」は2万4677世帯5万8835人を対象に発表された。市内34か所に開設された指定避難所には135人が避難した。

また上越市は今年1月、災害発生時には障害者や要介護者を受け入れてもらうよう、市内の介護施設などと「福祉避難所」の設置に関する協定を締結。今回、33施設で初めて福祉避難所が設置され、6人が避難した。市高齢者支援課によると、設置の際のトラブルなどはなく、スムーズに要介護者らを避難させることができたという。

新潟地方気象台によると、上越地方では7月1日に引き続き、7月2日も「大雨警報(土砂災害)」が発令されている。7月2日午前6時から7月3日午前6時までの予想雨量は、多いところで200mmとなっている。上越市は今後の降雨に備え、職員が交代して勤務し、24時間体制で警戒にあたっている。

災害対策本部長を務める村山秀幸市長は「気を緩めないで、次にやってくる雨、土砂災害に備えるという緊張感を持つように」と職員に指示した。

関連記事