上越市の児童虐待数が過去最多に 2018年度は230世帯479人

新潟県上越市が2018年度に対応した児童虐待を受けた子どもの数は230世帯479人に上り、2年連続で過去最多を更新した。市すこやかなくらし包括支援センターは、全国で児童の虐待死事件が相次ぎ、相談や情報提供が増加していることも増加の要因の一つとしている。

過去最多の年間479人が虐待被害

市が関わった児童虐待の数は、2017年度に前年度から大幅に増加し、52世帯99人増えて200世帯400人を超えた。2018年度も増加傾向は続き、25世帯51人増えて230世帯479人と過去最多となった。新たに虐待の事実が確認された世帯は前年度から22世帯減少したが、前年度から継続している世帯が47世帯増加し、虐待の解消までに時間を要していることが分かる。

上越市内の虐待児数と世帯数(上越市まとめ)
虐待グラフ_c

「ネグレクト」「3歳以下」「実母から」

虐待の内容は、食事を与えないなどのネグレクト(養育放棄)が最も多く91件、身体的虐待が75件、心理的虐待が62件、性的虐待が2件。虐待を受けた子どもの年齢は、3歳以下が最も多く127人、小学校1〜3年生が84人、小学校4〜6年と中学生が各71人、4歳〜就学前が69人、高校生相当年齢が57人となっている。小中学生の頃から虐待を受け続け高校生となるケースもあるという。

虐待者は実母が約6割、実父が約3割。情報提供者は学校が約2割で最も多く、本人を含む家族や保育園、児童相談所が約1割ずつだった。

同センターの渡辺晶恵所長は「ここ数年、児童虐待に対するアンテナが高くなったと感じる。虐待が増えているのも事実だが、これまで分からなかったものが顕在化してきた」と分析している。

どんな事でも相談を

福祉に関する市民の困り事や悩みに総合的に対応する同センターは、4月から同市寺町2の市福祉交流プラザに移転し、同プラザ内にあるこども発達支援センターなどと連携して対応している。職員同士の物理的距離が縮まったことでタイムリーな対応ができ、支援の手が入りやすくなったという。

「どんな事でもいいので、ぜひ相談してほしい」と呼び掛けている。すこやかな暮らし包括支援センター025-526-5623