残念ながら、高田公園内に最後まで残っていたウコッケイとチャボ計14羽は高齢化などから2016年11月、県立新発田農業高校に貰われていき、鳥小屋は間もなく取り壊されました。市民ニーズの変化、費用対効果、悪臭問題などから、動物園としての復活は難しいようです。
当時のなつかしい動物の写真を入手できましたので、これまでの経緯とともに、ごらんください。
「小動物園」のオープンは1953年🙈
「高田市史」第3巻によると、高田公園は1950年(昭和25年)11月10日に都市計画による「高田公園」に指定されました。第2種公認の陸上競技場、野球場、すもう場、庭球場、ソフトボール場などが整備され、児童公園の遊具や「小動物園」が設置されたと書かれています。具体的なことは書かれていませんが、名称は「小動物園」だということが分かりました。
当時の「高田市公報」を調べてみると、「小動物園」は1953年(昭和28年)8月16日にオープンしたことが分かりました。サル、リス、アナグマのほか、鳥類が飼われていました。まもなく、クマやキツネ、シカも仲間入りしたようです。
当時の市議会議事録によると、サル2匹は上野動物園から斡旋してもらったもので、飼育の講習も受けました。シカは鹿児島県屋久島産で、予算が足りなかったため、2匹のうち1匹は市議会議員の寄付で購入しました。
10年後にはトラが仲間入り🐯
1964年(昭和39年)には、猛獣のトラが仲間入りしました。関東地方のホテルで飼育されていたオス(9歳)、メス(10歳)ですが、借金の形として上越市の不動産業者に引き取られ、始末に困った業者が市に寄付しました。
2匹のトラは仲が悪く、ある時メスがオスの喉にかみつき、それがもとでオスは死んでしまいました。メスは1975年4月に死にましたが、21歳の天寿をまっとうしました。
市民ニーズも変化🦌
上越市都市整備課によると、クマとシカは1980年前後まで、サルは1989年(平成元年)まで、クジャクは1962年(昭和37年)から1994年まで飼われていました。
高田公園管理事務所の石田三郎さん(64)は、「昭和50年代までの最盛期にはトラ2頭、クマ3頭、サル5頭前後、シカもたくさんいて、専門の飼育員がいました。鳥類もキジやチャボ、ギンケイ、キンケイ、ウコッケイ、ホロホロチョウ、フクロウのほか、白いクジャクもいて子供たちに人気でした。内堀の白鳥、黒鳥もいなくなり、寂しくなりました」と話しています。
既に小動物園はなくなってしまいましたが、市都市整備課は「飼育コストがかかること、臭いの問題などもありますが、公園利用者のニーズが設置当初から変化し、単に動物を飼育するだけでは喜ばれなくなってきました。今後復活する可能性を排除するものではありませんが、市民のニーズや費用対効果、公園の魅力向上の面から総合的に考えたい」と話しています。
直江津にも「小動物園」が?
《TJ調査隊》に「直江津中学の裏、海側にも小動物園がありました」という調査依頼がありました。調べてみましたが、写真はもちろん、市史などにも記載がありません。まったく手がかりがない状態です。もし、写真や資料をお持ちの方などがいらっしゃいましたら、お知らせください。
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