医療センター病院移転で3候補地の建設コスト比較 結論は次回以降に

上越地域医療センター病院の改築に向けて整備手法などを検討している上越市の同病院基本構想策定委員会(畠山牧男座長)は2018年2月2日夜、4回目の委員会を開いた=写真=。市は現在地を含む3候補地の建設費用などを示したが、建設地選定は次回以降に持ち越しとなった。

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候補地は、現在地の南高田、上中田北部土地区画整理事業地内(上中田)、上越妙高駅北側の家具工場跡地(大和6)の3か所。いずれも地元住民らが市に要望している。

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この日、市は用地取得から本体工事、機器整備、解体、移転など含む建設コストのシミュレーションを示した。現在地で建て替えた場合、総事業費は市保有地のみを活用したケースで約74億円、私有地を追加取得した場合で84億円。上中田は104億円、大和6は108億円だった。現在地は、市有地で、築15年の南病棟をそのまま活用できることから費用が抑えられる。さらに現在地の場合のみ最大10億円余りの国からの補助金を活用できるといい、費用面では現在地の優位性が際立つ結果となった。

上越医療センター病院の改築事業費の試算(委員会での配布資料) sisan1

このほかにも患者の利便性、交通アクセス、まちづくりに与える影響、工期、病院職員の希望、医師確保などさまざまな視点での比較検討も行われ、学識経験者、地域医療関係者、公募市民などの委員がそれぞれの考えを述べた。

上越地域医療センター病院の古賀昭夫副院長は多くの職員が移転を望んでいることなどを挙げて「現在地での建て替えには反対で、一番いいのはアクセスのしやすい上中田」と力説。石橋敏光院長も「わたしは当初から発展的リニューアルなら上中田への移転と考えていたが、今の議論でそれができるか疑問。少し健全ではない議論が進んでいると懸念している」と今回の検討の進め方への不満を表明した。また、ほかの委員からは、福祉や地域との連携などを重視して現在地を求める意見もあった。

今後、今月下旬か来月に5回目の検討委を開き、候補地の選定などについて意見を集約する。

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