「あったかさぁ〜、バンバン!」。2021年11月26日から始まった新潟県上越市の直江津駅前商店街振興組合と西部商工振興会による「年末謝恩 直江津大売り出し」のちらしに、約30年ほど前まで年末の直江津の町に流れていた“宣伝文句”が復活した。
ちらしの右上に書かれた「あったかさぁ〜、バンバン!」は、今から約40年ほど前から10年間ほど、年末の直江津商店街連合会の大売り出しのキャッチフレーズとして使われていた。「あったか、さあ、バンバン! ふれあい、さあ、バンバン!」と、女性の声で商店街のスピーカーや街宣車から絶えず流れていたという。
「あったかさ」とは上越地方の方言で「うすぼんやりした人」「ばかもの」という意味。直江津駅前商店街振興組合の重原稔理事によると「あったかさぁ〜、バンバン!」は、冬になると恋しい「あたたかさ」に「ばかになってたくさん買おう」を掛けた宣伝文句だという。重原理事は「年末にたくさん買って元気を出していこうという意味だったのでは」と懐かしむ。
今回の売り出しイベントは、県の「消費喚起・需要拡大プロジェクト」応援事業の採択を受けて実施。駅前商店街などの年末大売り出しは数年ぶりという。
12月5日までの期間中、加盟店53店で1回につき500円以上の買い物や飲食をすると、抽選券1枚を配布。商店や飲食店に何度も足を運んでもらおうと、金額ではなく来店回数が多いほど抽選券を多く配布する方式だ。
抽選会は4、5日で、直江津学びの交流館で午前10時から午後4時まで。景品は電動アシスト自転車や高級炊飯器、無印良品のソファなどのほか、ディナー券やリゾート列車「雪月花」のペア乗車券、各商店の自慢の品などが当たる。飲食店28店で使える共通飲食券が、1000円券と500円券合わせ1100枚が用意されている。
重原理事は「ようやくコロナの状況が改善されつつあるので、町に人が出て店を訪れる後押しになり、少しずつ町の活気を取り戻そうと企画した。新年に向けて元気を出してほしい」と話していた。