数多くの映画やドラマに出演し、演技派俳優として知られた大杉漣さんが2018年2月21日、急性心不全のため66歳で亡くなった。旅番組の出演も多く、2013年9月9日には「夜汽車紀行~大杉漣が行く酒と涙のノスタルジック旅情~」の収録で上越市の直江津地区を訪れ、ホテルハイマート、なおえつ茶屋、朝市、親鸞上陸の地などを訪れた。
10月12日に放送された番組は、長岡経由で信越本線の快速列車に乗り、日が暮れてから直江津駅に到着したという設定。大杉さんは駅前にある林芙美子の「放浪記」の石碑を見た後、著者の林芙美子にくわしいなおえつ茶屋の店主、花柳紀寿郎さんを尋ねる。舞踊家でもある花柳さんはリクエストに応じ、店内にある舞台で110歳の林芙美子を演じた。
花柳さんは「来年、大阪で林芙美子の公演をやる予定で、力を貸してもらおうと考えていた矢先。もう一度お会いしたかったのでくやしい」と話す。
花柳さんが踊った店内の舞台に、大杉さんのサインが残っている。「紀寿郎さん がんばれ!! あるがままに」と書かれている。花柳さんは22日、花と写真を供え、ろうそくをともして冥福を祈った。
大杉さんは翌朝、ホテルハイマートのフロントで名物駅弁「鱈めし」を受け取り、親鸞上陸の地、居多ヶ浜展望台で海を見ながら食べた。途中、互の市に立ち寄り、生のキュウリをかじる場面もあった。
ホテルハイマートの立石稔総務管理部長は「2012年に開かれた “駅弁 味の陣” で、鱈めしが最高位の駅弁大将軍に選ばれた翌年のこと。駅弁作りの様子も見ていったが、謙虚で気さくな印象」と話す。
フロントで弁当を手渡した佐藤知葉さんは「身長が高く、やさしい方だった」と話していた。