全戸配布など実施せず 代わりに子育て支援拡充 上越市の指定ごみ袋不具合問題

新潟県上越市の指定ごみ袋に破れやすい不具合があった問題で市は2017年2月7日、市議会厚生常任委員協議会で交換の実績などについて説明した。先月末までに交換した割合は流通した不具合品の約5%だった。また、賠償として袋の全戸配布などは実施せず、代わりに子育て世帯へのごみ袋支援制度を拡充することを明らかにした。

上越市の指定ごみ袋 DSC_0017-2

欠陥のある袋について、市は昨年12月から交換に応じているが、交換の実績は今年1月31日までに2万1060枚で、全体の約5%にとどまっている。市は、交換には現物が必要としているため、昨年12月の同協議会でも「袋がなくても交換するべきだ」「全世帯に袋を配るべきだ」と求める意見が出ていた。

全戸配布について市は、購入の事実を過去に遡って確認することが現実的に極めて困難な上、事実確認せずに全戸に配布する行為にも問題があると判断し、購入した市民に個別に賠償することを断念。代わりに子育て世帯へのごみ袋支援制度を拡充する。子育て世帯に対し「おむつ用ごみ袋引換券」を無料配布しているが、袋のサイズを現行の10リットルから20リットルに拡充する。財源には、市民が購入した不具合のあるごみ袋の代金相当額約600万円を充てる。

破れやすい不具合のあるごみ袋は、昨年3〜5月に製造された「燃やせるごみ」と「生ごみ」用の袋で、同12月まで市民に知らされず販売されていた。不具合は合計約84万枚に上り、このうち約40万枚は店頭から回収したが、44万枚は市場に出回り、市民が購入した。

関連記事

[