温暖化で上越市高田の年間降雪量2m以上減少 平年値10年ぶり更新

天気予報などに使う気温や降水量などの「平年値」が2021年5月19日、更新された。平年値は気象庁が過去30年間の観測データを基に10年ごとに更新している。地球温暖化などの影響で新潟県内では年間平均気温は0.2〜0.3度上昇し、年間降雪量は50cm以上減少。上越市高田の年間降雪量はこれまでの635cmから222cm減って、413cmになった。

平年値はその時々の気温や降水量、日照時間などの気象や、冷夏や暖冬、少雨などの天候を判断する基準として利用される。現在の平年値は1981〜2010年の30年間の平均値を使用しているが、5月19日からは1991〜2020年の新しい平年値に変更された。


平年値表

新しい平年値では、高田の年間平均気温は0.3度上がって13.9度に、最高気温30度以上の「真夏日」の年間日数は2.9日増えて45.5日、35度以上の「猛暑日」は0.7日増えて5.3日となった。一方、最低気温が0度未満の「冬日」は5.1日減って51.1日に、最高気温が0度未満の「真冬日」は0.6日減って0.4日となり1日を割った。年間降雪量は635cmから率にして35%、222cmと大幅に減少し413cmに、年最深積雪は26cm減って96cmになった。年間降水量は81.8mm増えて2837.1mmになった。

気象庁によると、気温が高くなったことで降水があっても雪ではなく雨として降りやすくなったことのほか、積雪の観測機器の変更で雪面の凹凸や風の影響を受けにくくなり、降雪量が減ったと考えられるという。また全国的に平均気温は上昇しており、温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化や数十年周期の自然変動の影響に加え、地点によっては都市化も影響しているとしている。

このほか桜の開花日は全国のほとんどで1〜2日早くなり、新潟市では4月9日から1日早まり4月8日となる。上越市高田は気象庁による観測が2007年で終了しているため、民間の日本気象協会が来年の桜の開花予想までに新しい平年値を作成するという。