新潟県上越市は2019年2月21日、同市が出資する第3セクターで、温泉施設「くわどり湯ったり村」などを運営するリフレ上越山里振興の経営健全化方針を市議会に説明した。同社は債務超過で、市では方針に基づいて今後3年間で経営改善に取り組み、財政的リスクが解消されない場合は清算や民間売却を検討するとしている。
直近3期黒字も債務超過のまま
市によると、同社は中山間地活性化などを目的に1998年に設立された。多額の設備投資により翌1999年度に債務超過に陥り、2002年度に市が9000万円を増資。さらに市は同社の借入金4000万円に対する債務保証も行っている。その後は一時的に黒字へ転換したものの2011年度には再び債務超過となり、現在も解消していない。ただ直近3期は連続で黒字を計上している。
総務省が自治体に通知
総務省は昨年、債務超過などの三セクについて経営健全化方針を今年3月末までに策定するよう関係自治体に通知しており、これを受けて同市が今回策定した。
減資と経営改善で累積欠損圧縮
経営健全化の基本方針として、約3年半にわたり不在だった支配人を新たに採用し、従業員の意識改革や人件費の削減、営業の拡大などを図るとしている。また、1億2000万円(市出資比率は87.8%)の資本金を600万円に減資して、1億8232万円に上る累積欠損金の圧縮を図る。同時に、資本金1億円以下の会社になることで、法人税の軽減税率が適用され、外形標準課税の適用対象外となるなど税制上のメリットも見込む。
3年検証して清算・売却の可能性も
同社は、2月26日の臨時株主総会で減資を決め、今後3年間、方針に基づいた経営改善に取り組む。市は取り組みを検証して、その後も損失補償など財政的なリスクが解消されないと判断した場合は、会社の清算や民間への売却など検討するとしている。
ほかの3セクについても関与方針を策定
上越市はリフレ上越山里振興以外の3セクについても、今月見直しの方針を定めた「第三セクター等に対する関与方針」を策定している。
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