伝説ちなみ“かっぱ”出現 大潟水と森公園 開園20周年で像設置

今年開園20周年を迎えたことを記念し、新潟県上越市大潟区潟町の県立大潟水と森公園は、隣接する鵜の池に伝わる「かっぱ伝説」にちなみ、園内にかっぱ像の設置を進めている。全18体のうち、2021年8月11日にまず7体が設置され、あちこちに個性豊かなかっぱたちが現れた。

エントランスに設置されたかっぱたち
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同園は、丸山古墳を有する旧丸山公園を母体に約48haもの敷地を整備し開園。鵜の池と朝日池に囲まれた豊かな森には約700種類もの植物や野鳥などが生息する。

鵜の池には、昔若者が池で馬を洗っていたところ、妖怪のかっぱが馬の尾をつかんだという言い伝えが残っている。大潟区にはほかにもかっぱ伝説があり、毎年6月に「大潟かっぱ祭り」が開かれるなど、かっぱは住民から親しまれる存在だ。同園では開園20周年記念として、伝説を地域の文化を伝える遺産として残そうと、かっぱ像設置を計画した。

像の制作は、上越教育大学の彫刻研究室と陶芸研究室に依頼。教授や講師、大学院生の計16人が昨年から陶器像の制作に取り組み、先に完成した7体を園内のエントランスや休憩施設前などに設置した。表情やポーズ、色や大きさもさまざまなかっぱ像が自然に溶け込んでいる。

公園事務所前で日差しを浴びるかっぱ
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兪期天(ユ・キチョン)講師(38)は、丸みを帯びたフォルムが愛らしい高さ80cmほどのかっぱ像をエントランスに設置。「子供もたくさん来る場所なので、怖い感じではなくキャラクター性のある姿をねらった」。修了生の坂木杏未香さん(27)は、金魚すくいをしているかっぱ像を池の中に設置した。「かっぱが下を見ているので、公園に来た子供たちも同じように池をのぞいてほしい」と話す。

池の中に設置された像を制作した坂木さん(中央)と兪講師(右)、松尾大介教授
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同公園事務所の松浦正憲所長は「実際設置してみると、存在感があり雰囲気が漂ってくる。見どころができたので、園内を巡ってもらい、公園の良さを見てもらえたら」と話している。

手を広げる白いかっぱの後ろ姿。かわいいお顔は現地でチェック
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うつ伏せのかっぱ。愛らしいお尻は必見
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池の中で鳥にまたがるかっぱ。癒やしの表情はぜひ現地で
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残りの11体は9月中に設置する予定。全てのかっぱ像を巡ると、抽選で総額5万円分の景品が当たるスタンプラリーを来年3月末まで実施している。また20周年イベントとして、9月19、20日に鵜の池でカヤック体験を実施する。予約制。10月10日には記念フェスティバルも開催予定。

◇県立大潟水と森公園ホームページ http://ogata.greenery-niigata.or.jp/

県立大潟水と森公園