空き箱のデザインを生かしてさまざまな造形作品を作る新潟県上越市在住のパッケージクラフト作家、高橋和真さん(47)の「パッケージクラフト展〜空箱工作進化形〜」が2020年11月21日、同市下門前の上越科学館で始まった。ヘアカラー剤の空き箱で制作した巨大な「あまびえ千手観音菩薩」など100点が並ぶ。12月13日まで。
作品展は、当初夏休みに開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。会場中央に鎮座するあまびえ千手観音は、高橋さんがコロナ終息への願いを込めて約1か月半をかけて作り上げた渾身の力作だ。
大きさは高さ約1.8m、幅約1m。知り合いの美容院が数年かけて集めたという、朱色で光沢のあるヘアカラー剤の空き箱380個を使用している。大小28本の手には、体温検知モニターやマスク、消毒液、体温計など新型コロナ感染予防のアイテムを持たせた。頭の上には12体のミニアマビエも乗る。照明に反射して光る巨体に、会場に入った人は誰もが開口一番に「すごい!」と驚きの声を上げていた。
このほか、1997年に甘酒の空き箱で作った高橋さんの一作目の作品と22年後に同じ箱で作った作品の比較展示や、2016年の伊勢志摩サミットに合わせ、参加各国の菓子箱を使い、自由の女神や真実の口などその国を象徴する物を作った「G7パッケージクラフト」なども展示されている。
夫婦で旅行で上越を訪れ、立ち寄ったという埼玉県の51歳の男性は「捨てている空き箱からのひらめきがとにかくすごい。感激しました」と感心しきりだった。高橋さんは「スケッチや図面も展示しているので、空き箱が変身する様子を見てほしい。捨てるものでも工夫すればいろんなものができます」と話していた。
時間は午前9時から午後5時まで。入館料が必要。期間中の日曜と祝日はワークショップも開かれる。
- 上越科学館 https://jscience.jp/
- 一般社団法人日本パッケージクラフト協会 https://packagecraft.org/