新潟県上越市では今年8月以降、直江津や高田などの市街地でイノシシが相次いで目撃されている。本年度の目撃件数は、2017年12月12日時点で60件。昨年度は1年間で計21件で、すでに前年の3倍弱となっている。市は「目撃情報のほとんどが、街中や人が生活している場所でのもの。十分注意してほしい」と呼び掛けている。
市環境保全課によると、イノシシは中央3や五智1などの直江津地区、大豆の春日山城史跡広場を中心とした春日山地区、大貫や中田原など高田地区などの住宅地で出没している。特に8月以降は51件の目撃情報が市に寄せられた。
9〜10月には、国府1の蓮池公園に体長約60cmのイノシシ2頭が住み着いたと、近隣住民から通報があった。市は公園内に罠を設置し、10月22日に1頭を捕獲。もう1頭は間もなく姿を見せなくなったという。
11月12日午後1時頃には、同市南本町3のいずみ幼稚園付近で、女子中学生(13)がイノシシ1頭を目撃。女子中学生によると、大きさは大人のイノシシよりも一回りほど小さく、南方向へ走っていったという。
12月5日午前7時頃には、直江津駅北側の中央3や中央5などに体長約1mのイノシシ1頭が出没。午前10時過ぎには、西本町3のイトーヨーカドー直江津店の駐車場でも目撃された。市職員が正午頃まで捜索にあたったが、発見には至らなかった。付近の直江津小や直江津南小では同日、集団下校の措置が取られた。
同課によるとイノシシは雑食で雑草やミミズなどを食べるため、木の実などの収穫具合により出没地が変化することはない。市街地での目撃件数が多くなっている理由は不明だという。
同課の平野亨副課長は「もしもイノシシを見かけた時には、刺激を与えず、物陰や建物に隠れて安全を確保してほしい」と呼び掛けている。